2002年6月23日(の漢字)

先日のこの漢字読めます?について、adramineさんによる他サイトでの反応まとめさらにその反応についての言及があり、それを読んで色々と思ってたことがあったのですが、書かないままになってしまってました。かなり時機を逸している気もしますが一応書いてみます。(以上前置き)

一般には動植物の名前はカタカナ書きされることが多く、漢字表記が出てくる場面というのは小説や詩などの文章表現になってくると思います。だから漢字表記の知識を必要とするのは、それを読む人か、また(ぐっと少なくなって)それを書く人。それも物によって使われるかどうかは差があるでしょうし、**という字は知っておくべきか否か、ということも一概には言いにくい。

どちらかと言えば、「知っていれば面白い」というような、内面の知的好奇心を満たす部類の知識になる気がします。テストしてみて分からない字があっても、何個分からなかったとか、他の人と比べてどうか、ということを気にする必要は全くないと思う。

必要なときに調べられる能力があれば良い、と書きましたが、むしろそのような難しい漢字を使う文章にに出会っても、抵抗なく辞書を引くことができ、文章を読み進むことができるかどうか、が鍵になってくるような。といっても、一介の漢字好きとしては、他の人もそうであったら、漢字が嫌いと言われるよりかは嬉しいな、と思う程度のことですが。

山茶花をサンサカと読んだらバツにされるだろうか。。多分、×にされると思います。印刷屋で写植で字をみてPCですぐ打ち出す事が出来るかどうかというのが、このテストの趣旨らしいので、「サンサカ」では、ATOKは変換してくれません。

実際に問答無用でバツにされたら悲しいものがありますが、それはさておきPCで変換できるかどうかが判断基準というのも妙な気がします。であれば秋桜あきざくらとかうすい、などでもよさそうな。そういった漢字表記を知識として持っていれば間違う可能性も低くなるでしょうが、それも本人の注意力でカバーできる程度のものと思います。

(ついでに言えば、向日葵はコウジツキ、紫陽花はシヨウカ、(以下略)と読むのが本来という気も)

理系だから云々という言い方には、自分も違和感を覚えます。と言うか、ある知識を知らないことについて理系/文系だから云々、と言うこと自体、必要のない言及だと思う。ひと一人が持てる知識には限界があり、知らないことがあるのは当たり前なのだから。

……と、一応書いてはみたものの、いつにもましてとりとめのない文のような。

ところで、

と思ったのですがいかがでしょう。

* * *

物語に出てくる特殊な漢字というのも調べて集めてみたい、と書いてたところ、ふゆさんより{奏/騒}(川上稔『奏(騒)楽都市 OSAKA』)があるとの情報頂いてました。有難うございます。

先週読んでみて、{奏/騒}の字が本文中にはでてこないのがやや物足りなくありましたが、後半まで読み進んでいくとタイトルにこの字を使ったことに納得いきました。とはいえ両方とももともと結構線のつまった字なのに、それらを更に組み合わせるというのはなかなかの荒業であるような。

(2002年6月24日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net