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RERUメソッド(初級者向けUFバッファ簡易3-cycle解法)

本記事は、3x3x3 キューブの目隠し競技(BLD)におけるエッジ解法であり、UFバッファかつ少ない基本手順で簡易的な3点交換(3-cycle)手順を作ることを可能とする「RERUメソッド」の仕組みを紹介するものです。以下のような方にお試し頂きたいと思っています。

なお、本記事ではひとまず解法の仕組みについて解説することを目的としているため、UF/UFR バッファ解法で共通となる考え方(パリティ解消手段等)については未記載です。(今後記載するかも…)

ちなみに "RERU" の筆者本人的発音は「れーるー」です。(U を強調するため)

回転記号について

一般的なキューブの回転記号 (U, D, F, B, L, R, M, S, E) に加え、手順を簡略に表記するための以下の記号を使用します。

例えば、[R' E' R: U'](R' E' R) (U') (R' E' R)' = R' E' R U' R' E R を示します。基本手順の紹介では両方の表記を記載しています。

基本手順

まずは本メソッドを構成する基本的な5種類の手順を紹介します。いずれも、UF をバッファ、UR をターゲットとし、対象パーツを UR にインサートして、U' または U で交換を行う手順となります。

基本手順(1) RD

[basic alg 1 RD]

[R' E' R: U'] //1st: R' E' R U' R' E R
[R' E' R: U]  //2nd: R' E' R U R' E R

または

[R E R': U'] //1st: R E R' U' R E' R
[R E R': U]  //2nd: R E R' U R E' R

// の後はコメントであり、[A: B] 記号を展開した状態の回転記号も併せて記載しています。

1st は、3点交換の1つ目のパーツを交換する手順、2nd は、2つ目のパーツを交換する手順となります。といっても中間の U'U の違いだけなのでまとめて覚えられるかと思います。

基本手順(2) LF

[basic alg 2 LF]

[R' E R: U'] //1st: R' E R U' R' E' R
[R' E R: U]  //2nd: R' E R U R' E' R

基本手順(3) LB

[basic alg 3 LB]

[R E' R': U'] //1st: R E' R' U' R E R'
[R E' R': U]  //2nd: R E' R' U R E R'

基本手順(4) BL

[basic alg 4 BL]

[R' E2 R: U'] //1st: R' E2 R U' R' E2 R
[R' E2 R: U]  //2nd: R' E2 R U R' E2 R

基本手順(5) FL

[basic alg 5 FL]

[R E2 R': U'] //1st: R E2 R' U' R E2 R'
[R E2 R': U]  //2nd: R E2 R' U R E2 R'

いずれも [R* E* R*: U*] の組合せで構成される手順なので、それほど難しくはないかと思います。

なお自明ではありますすが、交換対象パーツが UR だった場合の手順もついても記載しておきます。

基本手順(0) UR

[basic alg 0 UR]

U' //1st
U  //2nd

単に U', U するだけです。

また、これらの基本手順により交換可能となる6つのパーツ: UR, RD, LF, FL, LB, BL を、SP (setup point) と定義します。

[SP (setup point)] SP(UR, RD, LF, FL, LB, BL)を示した図

SP を交換対象とした3点交換手順の例

以上の基本手順を習得すれば、これら6つの SP については3点交換を容易に行うことが可能となります。以下に例を記載しましょう。

例題1 UF RD LF

[ex1 UF RD LF]

[R' E' R: U'] //1st, RD
[R' E R: U]   //2nd, LF (alg.cubing.net)

このように基本手順で示した、1st (1つ目のパーツの手順) と 2nd (2つ目のパーツの手順) を組み合わせるだけで、3点交換を行うことができます。

※alg.cubing.net のリンクから実際の動きを確認できます。

例題2 UF LF LB

[ex1 UF LF LB]

[R' E R: U'] //1st, LF
[R E' R': U] //2nd, LB (alg.cubing.net)

例題3 UF BL LF

[ex1 UF BL LF]

[R' E2 R: U'] //1st, BL
[R' E R: U]   //2nd, LF (alg.cubing.net)

例題4 UF UR RD

[ex1 UF UR RD]

U'           //1st, UR
[R' E' R: U] //2nd, RD (alg.cubing.net)

交換対象に UR を含む場合は、U' または U だけになるので楽ですね。ちなみにこの手順は結果的に [U', R' E' R] = U' R' E' R U R' E R というコミュテータとなっています。(記号が [: ] でなく [, ] になっているのに注意)

任意のパーツを交換対象とした3点交換手順の例

さて、SP の6パーツ同士であれば3点交換を行うことが可能となりましたが、その他のパーツについてはどのように交換すればよいでしょうか。答えは「交換対象パーツ2点を SP の位置にセットアップして3点交換を行い、セットアップ戻しを行う」ということになります。

これも例で示していきましょう。

例題1 UF UB DB

[ex1 UF UB DB]

B R           //setup (LB, RD)
[R E' R': U'] //1st, LB
[R' E' R: U]  //2nd, RD
R' B'         //undo setup (alg.cubing.net)

例題2 UF FR FL

[ex1 UF FR FL]

E'           //setup (LF, LB)
[R' E R: U'] //1st, LF
[R E' R': U] //2nd, LB
E            //undo setup (alg.cubing.net)

例題3 UF DF RD

[ex1 UF DF RD]

R2' D R2     //setup (UR, RD)
U'           //1st, UR
[R' E' R: U] //2nd, RD
R2' D' R2    //undo setup (alg.cubing.net)

例題4 UF UR LU

[ex1 UF UR LU]

L           //setup (UR, LF)
U'          //1st, UR
[R' E R: U] //1st, LF
L'          //undo setup (alg.cubing.net)

または

S             //setup (RD, UR)
[R' E' R: U'] //1st, RD
U             //2nd, UR
S'            //undo setup (alg.cubing.net)

いかがでしょうか。セットアップにおける制限はただ一つ、バッファである UF パーツが最終的にその位置に留まっていればよい というだけなので、かなり自由度の高いセットアップが可能な解法であるかと思います。

交換対象に UL を含む場合の特殊セットアップ

以上のようにRERUメソッドは交換対象に UR を含む場合は簡単となる一方、UL についてはそうでもないように見えますが、簡単なセットアップで UL を含む交換手順を簡易にすることも可能です。以下に例を記載します。

例題 UF UL LF

[ex1 UF UL LF]

U'           //setup (UR, LF)
[R' E R: U'] //1st, LF
U            //2nd, UR
U            //undo setup (alg.cubing.net)

以上のように U' セットアップを行うことにより、UL, UF の位置関係を UF, UR に変えることができるので、これにRERUメソッドを適用することができます。ただし元々バッファである UF パーツが UR の位置に移動してしまうので、パーツの解決順序が逆転することになります。

この例題は UF UL LF の順の3点交換ですが、U'セットアップした場合は先に LF の交換を行い、次に UR の交換を行う形となります。

UL については、最初のうちは L' で BL、L で FL にセットアップするのが分かり易いかと思いますが、RERUメソッドに十分慣れてきたら、この U' セットアップも活用して頂ければと思います。

RERUメソッドを応用したエッジ反転手順

SP のうち、FL と LF、BL と LB は、それぞれ一つのパーツの両面が SP となっているので、一つ目のパーツ交換手順と二つ目のパーツ交換手順を同じパーツの異なる面のものとすることにより、エッジ反転を行うことができます。以下に例を記載します。

例題 UF, FL の反転

[ex1 UF, FL の反転]

[R E2 R': U'] //1st, FL
[R' E R: U]   //2nd, LF (alg.cubing.net)

交換の順序は FL → LF でなく LF → FL でも構いません。自分のやり易い順序で行って頂ければと思います。


FMC Advent Calendar 2021 (3) 思考過程

この記事は FMC Advent Calendar 2021 21日目の記事です。

20日はrkidさんの「数カ月ぶりのFMC~2試技目~-きゅー部」でした。数ヶ月ぶりでも安定して sub30 できるのはさすがです。

22日目はじゅうべいさんの「FMC Advent Calendar 2021 の 22日目: J式で行こう」です。

北村曉 (@kits_) です。昨日は割としごとで疲れておりましたが、この記事があるためなんとか第3試技を行いました。記事が当日中に間に合えそうでよかったです。

FMC Advent Calendar は23~25日の3日分の空きがあるので、ぜひ参加頂ければと思います。

scramble

(3) R' U' F R B2 F2 R2 U' B2 D R2 U L2 R2 D R' D2 F' D2 L F2 D' U F R' U' F

方針

EO を探してよさげなものがあったら、そこから Block building してきいきます。

寄り道

とは言うものの最初からコーナー・エッジペアが2つできており、しかも近い色で 1x2x3 ブロックが作れそうだったので、いきなり blockbuilding の道をついつい探索してしまいました。色々探してみて

L2 R' B F' U F2 //1x2x3 (6)
(B U2 F' U' D R2 D2 R U2) //2x2x3 (9/15)

というところまで来てみたのですが、手数も多いしその後のつながりも良くなさそうなので、諦めて EO first に切り替えました。ここで20分くらい使っていたと思います。

EO探索

さてこの時間から EO を探してよいものが見つかるかは不安だったのですが、FB軸の Bad Edge は4つと少なかったので、

L2 F2 D' F' //EO (4)

としてみたところ、ペアも3つあってよさそうだったので、他は探さずこれを採用しました。

skeleton まで

L2 F2 D' F' //EO (4)
(U' R') //2x2x2 (2/6)
(D2 B2 D' B2) B2 //2x2x3 (5/11)
D' L' D' L' //F2L-1 (4/15)
L' D2 L D2 //3C1T (4-1/18)

EO からそのまま normal 方向でもよい道があったかもしれなかったのですが、inverse 方向をみたところ2手で 2x2x2 ブロックができたので、こちらの道に進みました。終始何かしらペアができた状態で進み、F2L-1 から 3C1T (残り3コーナーと1コーナーの捻り(twist)) の状態も短い手数で進めました。

この、F2L-1 から skeleton までが短手数で収まる(こともある)のが、EO first の利点であり魅力でもあると思っています。blockbuilding されてる方にも EO first を試してみることをぜひお勧めしたいです。

インサート

skeleton:
L2 F2 D' F' B2
D' L' D' L2
D2 L D2 *
B2 D B2 D2 R U

* = D2 B' U' B D2 B' U B //3C (8-3/23)

さてインサート探索に残された時間もあまりなかったのですが、せめて1つめのインサートは全体を探すようにしました。3手キャンセルになるインサートが2つ見つかったように見えていたのですが、最初に見つけた方は手順ミスか見間違えかで正しくインサートできておらず、慌てて次に見つけたインサートに切り替えました。取り敢えずメモを残しておいてよかったです。

skeleton:
L2 F2 D' F' B2
D' L' D' L2
D2 L B' U' B D2 B' U
B' D B2 D2 R U %

% = U' R2 U L' U' R2 U L //Finish (8-3/28)

solution:
L2 F2 D' F' B2
D' L' D' L2
D2 L B' U' B D2 B' U
B' D B2 D2 R' U L' U' R2 U L

もう本当に時間残りわずかな状況だったのですが、運よく末尾インサートで3手キャンセルできる状態だったので、これをそのまま採用しました。かなり幸運に助けられた感がありますが、sub30 の解を出せたのはよかったです。

結び

FMCアドカレで sub30 できたのは初めてなので嬉しいです。最初の寄り道blockbuildingをしてなければもっと楽に解を出せたかも知れないですが、それもまた人生というものかもしれません。

FMC は楽しいので皆様ぜひやりましょう!


FMC Advent Calendar 2021 (2) 思考過程

この記事は FMC Advent Calendar 2021 11日目の記事です。10日はひらけんさんの「目標sub50 パート2 - [はまきゅ~活動中](非公式)」でした。12日目はふみさん「FMC Adovent Calendar 12日目 - fumi_k51のブログ」です。

北村曉 (@kits_) です。東海大会冬2021AM大会PM大会おつかれさまでした。今後も大会が継続されることを祈るばかりです。帰宅してこの記事を急いで書いています。(解くのは前日にしてました)

FMC Advent Calendar はここまで連日空きがなく続いていて有難いことです。とはいえまだ空きが今後9日分あるので、まだの方も2、3回目の方もぜひ参加頂ければと思います。

scramble

(2) R' U' F B2 D2 L F2 U2 B2 R' B2 L' U2 R2 U' R' F2 U B' F L' B2 L' R' U' F

方針

EO を探してよさげなものがあったら、そこから Block building してきいきます。

EO探索

EO はFB軸、LR軸ではなかなかいいものが見つからず時間だけが過ぎていきました…。普段あまり探索してないUD軸まで検索して、D' F' B' L U' でペアができる EO が見つかったので、これを採用しました。

今回は開始時に inverse scramble も用意しておき、両面から EO を探せるようにしようとしていたのですが、結果的にはあまり意味がなかったです。

skeleton まで

D' F' B' L U' //EO(5)
B2 U2 R' L2 //2x2x3(4/9)
(B) L' B2 L2 U2 L' (U2) //F2L-1(7-1/15)
L' B2 L //F2L-1C(3-1/17)
L' B' L B' L' B2 L B' //5C(8-2/23)

EO の後から、ペアから 1x2x2 を作るために B2 U2 したらR面にも別の 1x2x2 ができ、そこから2手で 2x2x3 ができたときは行けるか? と思ったのですが、そこから先がなかなかうまく行かなかったです。F2L-1 から1手(B)でペアができたのですが、そこから 1x2x2 を作るとエッジがパリティの状態でうまくいかず、また OLL を使ったラスト5コーナーを目指す方向に進みました。とは言え割とキャンセルが多くなったので、時間を使わずさっさとこの方向に切り替えればよかったです。

インサート

skeleton:
D' F' B' L U'
B2 U2 R' * L
B2 L2 U2 L2 
B L B' L' B2 L B' U2 B' %

* = R D R' U' RD' R' U //(8-2/29)
% = R2 B'L' B R2 B' L B //(8/37)

solution:
D' F' B' L U'
B2 U2 D R' U' RD' R' U L
B2 L2 U2 L2 
B L B' L' B2 L B' U2 B'
R2 B'L' B R2 B' L B

またインサートの時間が残っておらず探索でミスもあったため、2つ目のインサートは探せず末尾にコミュテータを追加して回答となりました。Insertion Finderによると Optimal は31手だったので、やはり skeleton での見切りを早めにつけておくべきという結果となりました。(進歩がない…)

結び

ひとまず解を出せてよかったです。10日後の21日目に(3)に挑戦するので、またがんばります。


ピラモルフィックスの楽しい揃え方

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2021の8日目の記事です。7日目の記事はじゅうべいさんの「傀儡魔方1号(Puppet One)ダイジェスト: J式で行こう」でした。9日目の記事はくるくるキャプテンさんの「目隠しでキューブアート!」です。

北村曉と申します。今年の Advent Calender はなかなかにコアな話題が続いておりますが、ここで一つキューバーならどなたでも楽しめるような、やわらかめの記事を出してみたいと思います。8日目ということで、8つのパーツをもつパズルであるピラモルフィックス(Pyramorphix)について取り上げてみます。

前書き

キューブ関連のオフ会に参加すると、WCA種目となるパズルの情報交換の他にも、どなたかが持ち寄った変わり種の立体パズルに興じることがあります。そのようにして自分が出会ったパズルのうち、シンプルでありながら初見では難解であるパズルの一つが、このピラモルフィックスであると思います。

[pyramorphix]

一見すると、ピラミンクスからの類推で、コーナーのみが回転する、パズルの体を成していない物体のようにも見えますが、実際触ってみると思わぬ箇所が回転することが分かります。

[before] [after]

さらに回転するとどんどん変形していくというのも、このパズルの魅力であると言えるでしょう。

[pyramorphix 宇宙船] 宇宙船

[pyramorphix ヨット] ヨット

[pyramorphix 飛行機] 飛行機

※形の名前は自分が勝手に呼んでいるものです。

この記事は、3x3x3キューブ(ルービックキューブ)が揃えられる人向けに、通常の3x3x3キューブ手順を応用したピラモルフィックスの解き方を提供するものです。既知の手順を使用するので、パズル独自の回転記号や新たな手順を覚える必要がなく、割とすぐに解けるようになるのではないかと思います。これを読んでピラモルフィックスが解けるようになったら、自分でパズルを入手して楽しんでみたり、他の方にもピラモルフィックスの面白さを伝えたりして頂けたら幸いです。

まだピラモルフィックスをお持ちでない方は、Webブラウザ上で操作できるものがありますので、こちらで確認しつつ記事を読んで頂ければと思います。

ピラモルフィックスとは何か

まずパズルのパーツについて、角の部分をコーナー、そうでない一色のみのパーツをセンターと便宜上呼ぶことにします。

「ピラモルフィックスとはどんなパズルなのか」を説明するために、まずは以下の写真に示すようにパズルを保持します。コーナを左手に持ち、それを左後ろに構え、上部の辺が水平になるようにします。中心の分割線が "+" の形に見えるようにしましょう。(これを基本の持ち方とします)

[基本の持ち方]

この状態からパズルを回転させてみると、

[R回転] 右半分(R)

[R回転] 上半分(U)

[F回転] 前半分(F)

が、それぞれ90度ずつ回転できることが分かります。当然左、下、後も回せますので、パズルの中心から6本の回転軸が存在するという仕組みになっていることが分かります。

まとめると、

……といった特徴をピラモルフィックスは備えているわけですが、このようなパズルについて、キューバー諸氏には既に心当たりががあるのではないでしょうか。そう、実はピラモルフィックスは、8つのコーナーパーツで構成される立方体パズルである2x2x2キューブと同じ仕組みを持つパズルなのです。

また、このことから、ピラモルフィックスにおけるコーナーとセンターは、実は同等のパーツであるということも理解頂けるのではないかと思います。なので2つのピラモルフィックスのパーツを入れ替えると、このようなこともできてしまいます。

[modified pyramorphixs] コーナだけ、センターだけを集めた2つのピラモルフィックス

センターに関しては、ただ一色をもつパーツであり、どのような向きになっても見た目が変わらないため、「向き(CO)の概念がないコーナー」と考えることができます。

実際に揃えてみる

ピラモルフィックスの仕組みがつかめたところで、実際の揃え方の説明に入ります。2x2x2キューブの初心者用の解法と同様、下層の完全1面を揃えてから、上層(LL)を揃えていく、という流れで揃えていきます。

完全1面ってどういうこと? とお思いの方もいるかもしれませんが、要は以下のようにセンター2つ、コーナー2つがそれぞれ対角の位置にあり、色が揃った状態を目指す、ということです。

[完全1面] 完全1面(下から見た図)

完全1面

まずはどれか1つのコーナーについて、コーナーのどれか1色の面と、同じ色のセンターが隣接した状態を目指します。と言っても、多くのスクランブル状態ではそのような組み合わせが既に存在していることも多いかと思います。もし揃ったものが無くても、1手か2手で合わせることができますので、特に説明はいらないかと思います。

[完全1面_1]

次に、コーナーの別の色の面と、同じ色のセンターを隣接させます。これも1手か2手で揃えることができるでしょう。

[完全1面_2]

最後に、先ほど合わせたセンターの2色を持つコーナーを揃えます。ここから先は、先に説明した、基点のコーナーを左奥で持つ持ち方を基本とし、その状態の回転記号で説明していきます。この持ち方であれば、パズルを保持しつつ R, U, F の回転が行えるので便利です。

[基本の持ち方] 基本の持ち方

完全1面の最後のコーナーは、3x3x3キューブにおける F2L の手順、または初心者解法で完全1面を作る際にコーナーを揃える手順と同様の動きで揃えることができます。以下に完全1面があと1つのコーナーで揃う画像と、揃えるための手順例を記載します。

これで完全1面を揃えることができました。

上層を揃える

上層の揃え方について、3x3x3キューブ(CFOPメソッド)の考え方だと OLL、PLL というステップで揃えていきますが、ピラモルフィックスだと同じ向きに同じ色で揃えるということができないため、OLL の考え方を適用することが難しいです。そのため、まずはコーナー・センターの位置を合わせてから(CP)、コーナーの向きを合わせる(CO)、というステップで揃えていくことにします。

成形

コーナーの位置合わせですが、まずは正四面体の形に成形した上で、コーナーの位置が違っていたら入れ替える、という2つの段階で揃えていきます。

[成形済み] 上層が成形された形

下層を揃えた時点で、このように既に正四面体の形になっていた、つまり上層のコーナー、センターが互いに対角の位置になっていた場合はラッキーでした。次のステップへお進み下さい。

[非成形] 上層が成形されてない形

成形されていない形、というのは、このようにコーナー、センターが隣接した状態になっているわけですが、これを成形するには、コーナー2つを左側に向けた状態で、(画像右の向きから)以下の手順を使用します。

この手順は OLL 手順ですが、Tパームの前半部分でもあるため、初心者解法のみを学んだ方にも馴染みがあるかと思います。

[3x3x3キューブで説明!]
3x3x3キューブで R U R' U' R' F R' F' とその逆手順を回してみて、コーナーに注目すると、この手順では右手前以外の3つのコーナーが反時計回りに位置を変えていることが分かります。立方体パズルだとコーナーの向きが変わってしまいますが、このピラモルフィックスの解法では「向きはどうでも、まずは位置を揃える」ことを目標としているため、この8手の手順で十分となるわけです。

[成形手順を3x3x3で説明]

コーナーの位置交換

成形できたら、上層のセンターの色を下層に合わせてみましょう。この状態では、以下の2通りの状態があり得ます。

前者であった場合はラッキーでした。次のステップへ進みましょう。

後者である場合、コーナーの位置を入れ替えるには、画像の向きから以下の手順を使用します。

() 内の手順はいわゆる「6手OLL」であり、初心者解法でも用いられるため、キューバーには馴染みのある手順かと思います。

[3x3x3キューブで説明!]
3x3x3キューブで (F R U R' U' F') U' とその逆手順を回し、またコーナーに注目してみます。すると右手前と左奥のコーナーの位置は変わらず、左手前と右奥のコーナーの位置が入れ替わっていることが分かります。この場合もコーナーの向きは取り敢えず考慮しなくてよいため、コーナーの対角交換ではこの 6手OLL + U' で十分ということになります。

[CP手順を3x3x3で説明]

コーナーの向きを揃える

ようやく最後のステップとなりました。コーナーの向きについては様々な状態が考えられますが、まずは1つのコーナーの向き(だけ)を揃える手順を記載します。これを覚えれば、2つのコーナー向きが違っていても1つずつコーナーの向きを揃えることで完成することができます。

[CO_CW] これは写真右の向きより U2 (R U R' U' R U2 R') で揃います。

[CO_CCW] これは写真右の向きより U2 (R U2 R' U' R U' R') で揃います。

() 内はそれぞれ Sune, Anti-sune と呼ばれる OLL 手順であり、初心者解法のコーナーOLLでも用いられるので馴染み深いことでしょう。

場合分けすると少々ややこしいですが、要は

をすればよい、ということになります。

[3x3x3キューブで説明!]
3x3x3キューブで (R U R' U' R U2 R') U2 とその逆手順を回してみましょう。するとコーナーの位置関係は変わっておらず、左手前のコーナーを除く3つのコーナーが時計回りに変化していることが分かります。3つのコーナーが変化するのであれば、1つのコーナーだけの向きを変えることはできないのでは? とお思いかもしれませんが、このピラモルフィックス解法においては、右手前と左奥にあるのはセンター、即ち「向きの概念がないコーナー」となっています。センターはいくら向きが変わってもそのことを気にする必要がないため、この手順を使うことで、右奥のコーナーのみの向きを時計回りに直すことができるということになります。

[CO手順を3x3x3で説明]

反時計回りの場合は単純に逆になるため、説明は省略します。(気になる人は、実際に3x3x3キューブを回して確認してみましょう!)

これでピラモルフィックスを完成させることができました。おつかれさまです!

発展的手順(2つのコーナーの向きを揃える)

コーナーの向きについては、上述の通り1つ1つ揃えていってもよいのですが、ちょっと工夫することで2つのコーナーの向きを同時に変えることが可能です。それらの手順について記載します。

[2CO_CCW_CCW] これは写真右の向きより U' (R U2 R' U' R U' R') U' で揃います。

実は最初の U は U, U' のどちらでもよく、要は90度回した位置から Sune (または Anti-sune) を回せばよいということです。なぜこれで2コーナーの向きが揃うかは、先の [3x3x3キューブで説明!] を読んだ方なら理解頂けることでしょう。

また、2コーナーの向きについてはそれぞれ逆の向きになっている状態もあり得ます。この場合は少し特殊な手順となります。(と言っても手順自体はご存知のものであることでしょう)

OLLで使われる手順であり、「6手OLLを2回する手順」(と、その逆手順)でもあるので、3x3x3キューブ初級者の方であってもすぐに覚えられるかと思います。(これも気になる方は、ぜひ3x3x3キューブを実際に回してみて効果を確かめてみて下さい!)

終わりに

以上が自分なりの「ピラモルフィックスの解法」となりますが、いかがだったでしょうか。ピラモルフックスの仕組み自体もさることながら、普段3x3x3キューブで使っているOLL手順にはこんな効果があるのか、というところにも気付きが得られたなら幸いです。

また、ピラモルフィックスのような、「○○のように見えて実は××と同じ仕組み」という立体パズルは他にもあるので、この記事をきっかけに、他の変形立体パズルについても自分なりの解法を追究していく楽しみを、ぜひ感じて頂ければと思います。


FMC Advent Calendar 2021 (1) 思考過程

この記事は FMC Advent Calendar 2021 1日目の記事です。

北村曉 (@kits_) です。昨年に続き FMC Advent Calendar の初日を担当します。明日2日目はじゅうべいさんの「FMC Advent Calendar 2021 2日目: J式で行こう」です!

今回は空き枠がまだまだある状況なので、初級者の方も含めぜひ参加頂ければと思います。

scramble

(1) R' U' F B U2 B2 L' F2 R D2 F2 R F2 L F2 D' L B' F' L D U' B' L2 R' U' F

方針

EO を探してよさげなものがあったら、そこから Block building してきいきます。(DR はまだできません…)

EO探索

EO は以下のものを見つけました。

U B U' R F
U B' U' R F
R F U R' B
R F' U R' B

U B F' L2 D
U L2 B F' D

RL軸は手数がかかりそうなので飛ばしました。inverse 側からは見れていません。

いくつか試してみて、U B' U' R F から 1x2x2 ブロックができる U' をしたところ、FR側にペア(1x1x2)ができたので、この EO を採用しました。ここまでで20分程かかっています。

skeleton まで

normal scramble 方向からほとんどそのまま以下のように進みました。

U B' U' R F //EO(5)
U' D2 L2 B2 L2 //222(5/10)
D2 R' D2 R' (R) //223(5/15)
L' F2 L //F2L-1(3/18)
D L D L' //F2L-1C(4/22)
L D2 L' D' L D' L' D2 //5C(8-3/27)

F2L-1 で手数が短かく、その後 D2 するとペアができたので期待したのですが、残念ながらパリティでした…。その後色々試してみてもうまい手が見つからず、やむなく F2L#4 のエッジを入れてから OLL で残りのエッジを合わせてラスト5コーナーを残す状態を目指し、上記のようになりました。

F2L-1 の先を諦め悪く色々試してしまったので、ここまでで残り15分程になっていたと思います。できれば途中からの NISS も探したかったのですが、そこまで余裕がありませんでした。

インサート

skeleton:
U B' U' R F
U' D2 L2 * B2 L2
D2 R' D2 R'
L' F2 L
D L D' L' D' L D' L' D2 R'

* = L' F L B2 L' F' L B2 //3C(8-4/31)

skeleton:
U B' U' R F
U' D2 L F L B2 L' F' L'
D2 R' D2 R'
L' F2 L
D L D' L' D' L D' L' D2 R'

というところまで進んだのですが、2つ目のインサートが見つけれず、今回はDNFとなりました…。

Insertion Finderによると Optimal は37手だったので、解を出せたとしても微妙なところではありました。とはいえ実践的にはもっと割り切った時間の使い方が必要だったと思います。2つめの skeleton の状態からはコミュテータで完成できる状態だったので、「末尾インサート」もバックアップとして先に用意しておくべきでした。

結び

ちょっと不甲斐ない結果となってしまったので、12/11 に (2) のスクランブルに挑戦したいと思います。またよろしくお願いします。