FTO を目隠しで解く (FTO BLD)
この記事は北村曉(@kits_)によるSpeedcubing Advent Calendar 2020 8日目の記事です。7日の記事はじゅうべえさんの kits_さんの前日に面転八面体(FTO)の開眼解法について でした。9日の記事は ひらけんさんの 「超多分割FMCやってみた」 の予定です。
本文書では、立体パズルの1種である FTO (Face Turning Octahedron) の目隠し(blindfolded, BLD)解法について説明します。前提知識として、3x3x3キューブの目隠し(3BLD)解法である 3-style の知識を使用することをご了承願います。
導入
パズルの向きについて
FTO 手順を記載するにあたり回転記号の定義が必要となりますが、それにはまず基準となるパズルの向きを決める必要があります。現在 FTO の基準の向きとしては以下2通りの流派があります。(括弧は LanLan Octahedron の配色での例)
- U面と辺で接する面をF面とする。Speedcubing Extra Eventsで使用。(U白、F緑)
- U面と頂点で接する面をF面とする。FTO のスピード解法開発者である benpuzzles さんの FTO Notes 等で使用。(U白、F赤)
スピード解法の解説では後者の方が主流となりそうですが、本文書では、R U R'
などの 3x3x3 キューブでもおなじみの手順を流用しやすいことから、前者の向きを基準として解説をしていきます。
配色(color scheme)
FTO パズル製品としては現在ほぼ一択とも言える LanLan Octahedron (tribox, smartship) の配色を本文書でも使用します。また、筆者は 3x3x3 目隠しにおいてU白、F緑を基準面としているため、本文書でもそれを前提とした解説、および図を掲載します。異なる基準面を使用したい方は適宜読み替えをお願いします。
U白、F緑を基準とした各面の色は以下の通りとなります: U白 F緑 R灰 L赤 D黄 BR青 BL紫 B橙
FTO を揃えるには配色を覚えることも重要となります。
回転記号
ようやく回転記号の説明に入りますが、3x3x3 キューブの記号法とほぼ同じと考えて構いません。ただし面が8つに増えるため、U, F, R B, L, D に加えて BR(右後), BL(左後) の記号を使用します。
U面の時計回りを U
、反時計回りを U'
とします。(120度回転なので U2
はありません)
また、内層回しの記号として、小文字の r, l、および E を使用します。(なお実際に l
を回す際は、筆者は BRw' BR
のようにBR面を持って回しています)
2層回しの記号も使用します。(Uw
, Lw
等)
限定的ですが持ち替えの記号も使用します。以下に本手順で使用する記号について記載します。(括弧内は U白 F緑 から回転した結果の面の色)
y2
: Uの時計回り方向に120度回転。 (U白 F青)x y'
: 後ろに倒してUの反時計回り方向に60度回転。 (U緑 F赤)y' x'
: Uの反時計回り方向に60度回転し、前に倒す。 (U青 F白)z'
: UB、FDコーナーの頂点を軸に反時計回りに90度回転。 (U青 F灰)
手順は主にコミュテータを使用したものとなるので、コミュテータおよびセットアップを表すための以下の記号も使用します。
[A, B]
=A B A' B'
[A: B]
=A B A'
例えば [U': [r' E' r, U']]
は展開すると U' r' E' r U' r' E r U U
、末尾の U U
はキャンセルされて U' r' E' r U' r' E r U'
となります。
FTO の性質
FTO の大きな特徴として、パーツの或る面は、辺で接する隣接面には移動しないということが挙げられます。例えば緑(F)のパーツは青(BR)、紫(BL)、黄色(D)の面には移動可能ですが、辺で接する白(U)、灰(R)、赤(L)および対面の橙(B)の面には絶対に移動することができません。
このため各パーツの色は以下の2つのグループに分かれます: (1)緑 青 紫 黄 (2)白 灰 赤 橙。 どんなにスクランブルされていても、1つの面に(1)の色と(2)の色の両方が含まれることはありません。
またこの性質より、センター、エッジ、コーナーの各パーツの解決において以下の特徴を持ちます。
- センターは2段階に分けて揃えます。
- エッジの反転(EO)はありません。
- コーナーの捻り(CO)は180度のみであり、90度捻りの状態はありません。
センター解法について
前述の通り、センターの解決は2段階に分けて行います。まず通常の向きで F(緑), BR(青), BL(紫), D(黄) の面のセンターを解決し、
次に z'
持ち替えをして、同様に F(灰), BR(橙), BL(白), D(赤) の面のセンターを解決します。
なおこの z
回転の持ち替えは、なるべく少ない動きで2グループの色を切り替えるということで考案しましたが、z
でなく z'
を選んだのは筆者の好みです。他の持ち替え方を使用してもよいと思います。
lettering scheme の例
日本のキューブ用語で言うところナンバリングですが、筆者は以下を用いています。あ行・か行・さ行・た行の3文字ずつを使い、基本的には時計回り、BL面は反時計回り(左右対称性のため)に文字を割り振っています。(エッジ、センターでも同様)
バッファは赤字(い)で示した FD のパーツを使用します。
前述の通り解決は F, BR, BL, D の面に対して行うため、他の4面に別の文字をふる必要はありません。
手順例
ここからセンター解法で使用する手順のうち、基本的なものについて述べていきます。右手(R)を使う手順を中心に記載し、左手側(L)の手順やセットアップが必要な手順については省略します。詳しくは FTO手順表 (Google Spreadsheets) をご参照下さい。
側面2点(BR, BL)
FD BRD BLB の交換は [R U R', E']
で行えます。3x3x3 でもおなじみ R U R'
の動きが、BLB をバッファ FD にインサートする動きとなります。(このためにバッファを FD にしたとも言えます)
BR, BL 面の交換としては FD BLF BRD の交換を行う [R' U' R, E]
という手順もあります。
D面と側面
U R U'
の動きで FD を BLB にインサートできるのですが、この場合のインターチェンジは r 列となります。FD バッファを r 列に載せるための F
セットアップを加えた [F: [U R U', r]]
が、FD DF BRB の交換手順となります。
交換対象のパーツが左右同じ側(この例では右側)にある場合は、FD BRB DR を交換する [F: [U' R' U, r']]
という手順もあります。こちらはバッファにインサートする動きとなることにご注意下さい。
F面と側面
FD FL BRB の交換は [U' R U, r']
となります。
別パターン、FD BRD FL の交換は [R U' R', E']
となります。
F面とD面
先に現れた U' R U
の動きはD面との交換でも利用でき、インターチェンジを変えた [U' R U, r]
が FD FL DL の交換となります。
センター3点交換の基本的な手順は以上となります。
パリティについて
センターでは分析結果が奇数文字となることがありますが、その場合は分析文字にF面のバッファ以外の文字(FR(あ)またはFL(う))を加えて解決すればよいです。このあたりは 4BLD (4x4x4キューブ目隠し) のセンターと同様です。
ちなみに FTO でパリティが生じるのはセンターのみです。安心ですね。
エッジ解法について
lettering scheme の例
前述の通り、FTO のエッジには反転の状態が起こりません。そのため文字を振るのはエッジの2面のうち1面にのみでよいことになります。筆者はセンターと同じく F, BR, BL, D の面に文字を振った以下の lettering scheme を使用しています。
バッファは 3BLD の最近の主流 UF にならって FU(あ) を使用します。
手順例
ここでも基本的な手順のみを紹介します。詳細な手順は FTO algs をご参照下さい。(テンプレ)
U面インターチェンジ
エッジコミュテータ手順はU面インターチェンジの手順がまずは分かり易いかと思います。内層回転を用いた r' E' r
により BRF エッジを BRU にインサートします。この時バッファをまたぐようなパーツの動きとなるので少々違和感があるかと思いますが、ここは FTO とはそういうものと割り切りましょう。
インサートを考える上で、初めのうちは、E
, E'
の動きでエッジがどこまで移動するのかのイメージがなかなか掴みづらいと思いますが、E
1回で辺を2つ超えると考えるとよいと思います。
インターチェンジ U'
を加えた [r' E' r, U']
が FD BRF BRU の交換となります。
上図 FU BLU BRF の交換は、[l' E l, U']
の手順で解けますが、U'
セットアップをして [U': [r' E' r, U']]
(= U' r' E' r U' r' E r U'
)と解くこともできます。
キャンセルがあるとは言え1手余分に増えた手順とはなりますが、この動きはU面の動きが同じ方向の U'
3回で分かり易いという利点があります。
エッジ手順は内層回しが多くなるため、手の動きで手順を覚えることがなかなか難しく、手順の途中で「さっき回したインターチェンジはどちら向きだっけ?」というようなことになりがちです。筆者はなるべく回転記号を頭の中で唱えながら回したりしていますが、このようにインターチェンジ回転に迷わない手順を選択するのも一つのやり方になるかと思います。
側面インターチェンジ
セットアップをものすごく頑張れば、エッジをU面インターチェンジ手順のみで解くことも不可能ではないとは思いますが、E層やD面にあるエッジ2つとの交換を行うには少々困難です。ここはR面等の側面をインターチェンジとする手順も覚えておきましょう。
U面へのインサートでは r' E' r
等、r列やl列の動きから始まりますが、側面へのインサートではE列の動きから始まります。E r E'
でバッファ FU を FR にインサートする動きとなり、R
インターチェンジを加えた [E r E', R]
が上図 FU FR DR の交換となります。
応用編。上図 FU DR BLF の交換は R'
セットアップを用いた [R': [E r E', R']]
の手順で解決できます。これもR面の動きが R'
のみとなるのでさほど難しくはないかと思います。
側面インターチェンジの手順は L, BR, BL 面でも同様に作ることができるので、これらを習得しておけばエッジ交換手順のセットアップは多くても2手で済むかと思います。以下に各面での手順例を紹介します。
- L面インターチェンジ: FU FL DL
[E' l' E, L']
- BR面インターチェンジ: FU BRF BRB
[E l' E', BR]
- BL面インターチェンジ: FU BLF BLB
[E' r E, BL']
特殊手順
実は内層回しを使用しないエッジ交換手順も存在します。上図 FU BLU BRU の交換は、R U R' U R U R' U
の8手で解決できます。外層8手のみなのでとても簡単ですね。
ただしこの手順は、パーツの動きをよく見ると分かりますが、実際にはエッジではなくコーナー(と、隣接する側面のセンター)の交換を行う手順です。結果としてコーナーの位置が同じとなるので一見エッジの3点交換に見えますが、実はセンターも含めた6パーツが回転する手順となっています。
センターを巻き込む交換であるため、この手順ではセットアップを用いることはできません。そのためバッファ FU を含む U面、または F面のエッジ3点交換においてのみ使用可能な手順となります。
上図 FU FR FL は持ち替えをして [x y': R U R' U R U R' U]
で解決します。
また、この特殊手順を使うには先にセンターを解決しておく必要があることをご注意願います。
コーナー解法について
lettering scheme の例
コーナーは180度の反転が起こり得ます。そのためコーナー1パーツにつき2つの文字を割り振る必要があります。筆者はセンター、エッジと同様、F, BR, BL, D 面に文字を割り当てた以下の lettering scheme を用いています。
バッファは、こちらも 3BLD の最近の主流である UFR にならって FR(あ) を使用します。
手順について
コーナー3点交換手順のしくみ
FTO におけるコーナー3点交換の手順は少々特殊なものとなります。以下に説明を述べます。
基礎となる手順は [R' U' R, D]
といったコミュテータ手順ですが、これのみではコーナー3点交換を行うことができません。例として完成状態から [R' U' R, D]
を加えた状態の図を以下に示します。
このように [R' U' R, D]
という手順では、コーナーだけでなく、コーナーと隣接したセンターを1組(ピンクの枠で示した箇所)とした3組の交換となっています。
あれ、それならセンターの色が全て同じだったら都合がよいのでは? という思いつきが浮かびますが正にその通りで、R'
セットアップをすることで [R' U' R, D]
の交換に関わるセンターパーツを全て同色(緑)にすることができます。
かくして、F面のコーナー3点の交換を [R': [R' U' R, D]]
という手順で疑似的に解決することができました。疑似的と述べたのは、一見分からないものの実際にはセンターも含めた交換が行われているからであり、セットアップを用いる際にはこの点に注意する必要があります。
また、このコーナー解法手順を使うには、センターを先に解決しておくことも必要です。
基本手順
前述の説明により導き出された [R': [R' U' R, D]]
= R U' R D R' U R D' R
、これらF面コーナー3点を反時計回りに交換する手順なので、簡便のためこれを X'
と呼ぶことにします。
F面コーナー3点を時計回りに交換する手順は [R': [D, R' U' R]]
= R' D R' U' R D' R' U R'
となります。これを X
とします。
コーナー交換の手順はこの2つの手順がほぼ全てです。あとはセットアップや持ち替えでなんとかしましょう、という方針を筆者は取っています。
セットアップについて
コーナー交換手順 X
, X'
は、前述の通り実際にはセンターも交換する手順であるため、セットアップを用いるにはセンターを崩さない手順を用いる必要があります。例えば下図の L
の動きはF面センターを崩すため、セットアップとしては利用できません。
F面のコーナーのみを入れ替える BL
や D
、またF面に干渉しない B
の動きはセットアップとして使用することができます。
また、先ほど L
の動きはセットアップに利用できないと述べましたが、センターを丸ごと置き換える Lw
の動きであれば、セットアップとして利用することができます。その他の2層回しでは Uw
や Rw'
が利用可能です。
持ち替えについて
バッファ FR を含む面は F 以外にも U, BR, R があるので、持ち替えによりこのそれぞれの面でのコーナー3点交換手順を利用することもできます。
FR BLB DR の交換は [y2: X]
、逆交換は [y2: X']
でできます。これらをそれぞれ Y
, Y'
と定義します。
セットアップを用いる場合は各コーナーの外側の面に対して行います。
FR BLF BRB の交換は [y' x': X]
、逆交換は [y' x': X']
でできます。これらをそれぞれ W
, W'
と定義します。(W は white から)
セットアップを用いる場合は、各コーナーの側面のうち、時計回り方向に向かう面に対して行います。
[画像未作成]
さらに FR BRD DF の交換は [z': X]
、逆交換は [z': X']
でできます。これらをそれぞれ Z
, Z'
と定義します。
セットアップを用いる場合は、各コーナーの側面のうち、反時計回り方向に向かう面に対して行います。
これらの持ち替え手順を併用することで、セットアップに必要な手数は多くとも2手で済ませることができます。コーナー手順における持ち替え、セットアップの詳細についてはやはり FTO algs を参照願います。
CO について
CO の解決では筆者は現在のところ X
, X'
を用いた以下の手順を用いています。
X [Uw BR': X]
→ FR FL の COX' [Uw BR': X']
→ FR FD の CO
展開すると R' D R' U' R D' R' U R' Uw BR' R' D R' U' R D' R' U R' BR Uw'
(FR FL の場合) と、22手のかなり長い手順となりますが、基本手順 X
, X'
を習得しておけばそれほど難しくはないかと思います。(もしより短いCO手順があるようでしたら情報頂けると幸いです)
補足
サンプルソルブ
よろしければご覧下さい。
参考情報
- Face Turn Octahedron 解法 Kemi さんによる解法の解説
- How to Solve an FTO (Bencisco Method) benpuzzles (Ben Streeter) さんの FTO スピード解法の解説動画
- FTO] How to Modify, Setup and Lubricate a Face-Turning Octahedron (Full Tutorial) benpuzzles さんの FTO 改造および潤滑方法の解説動画
- FTO Solved Blindfolded in 11:00 benpuzzles さんによる World First solve 動画
- FTO BLD WF Recons. 上記ソルブの Reconstruction
- No Peeking #7: Face-Turning Octahedron TheGrayCuber (Enoch Gray) さんの目隠し解法解説動画
- FTO algs 筆者による手順表(Google spreadsheets)
謝辞
FTO 目隠し解法を習得、達成するにあたっては上述の FTO に関する情報だけでなく、3x3x3 等のキューブパズルの目隠し解法(3-style)の知識が大いに役立ちました。これらの洗練された解法情報が参照可能となっていることに改めて感謝する思いです。
benpuzzles (Ben Streeter) さんには上記動画解説でお世話になっただけでなく、自分の 最初の FTO BLD ソルブ動画 にも称賛のコメントを頂きました。有難うございます。
FTO の画像は alg.cubing.net [v2 beta] のツールを使用させて頂きました。有難うございます。
また、FTO に触れるきっかけとなったHさんの呟きに感謝します。
FMC Advent Calendar 2020 (2) 思考過程
この記事はFMC Advent Calendar 2020 2日目の記事です。1日目は FMC Advent Calendar 2020 (1) 思考過程 - 徒書 でした。3日目はひらけんさんの 目標sub50 - [はまきゅ~活動中](非公式) です。
北村です。昨日に続き FMC Advent Calendar の2日目を担当します。明日こそは担当が変わるのでお楽しみに。
scramble
(2) R' U' F D F R B2 U2 D' R B' R D' B2 U' B2 L2 U2 R2 D B2 R2 B2 L2 R' U' F
inverse scramble: F' U R L2 B2 R2 B2 D' R2 U2 L2' B2 U B2 D R' B R' D U2 B2 R' F' D' F' U R
もし今後(2)を解かれる予定の人がいましたらネタバレご注意下さい。
EO探索(を諦める)
方針は昨日と同じなので省略。
まずは少ない手数でいい感じにブロックビルディングできそうなEOがないかと探してみたのですが、見たところ FB, RL, UD軸ともに bad edge が6個でありました。どうも6個の場合だと一生懸命探した割りにはただ手数が増えただけ、ということになる印象が強かったので、スクランブルの状態で c/e pair が2つあることもあり、早々にブロックビルディングに切り替えました。
ブロックビルディング
normal からブロックビルディングするとなると、橙緑白の 1x2x2 は作れそうですが、どうもその後が難しそうです。
なので inverse に切り替えて色々探したところ、U' L U
とすると c/e pair が4つに増えるのを発見しました。(なぜこの動きをしたのかは自分でもよく分からないです)
さらにそこから青白橙の 1x2x2 を作ろうと B2 U B U'
としたところ、もう一つ橙緑白の 1x2x2、さらに c/e pair も2つ残っている状態となりました。
やや変則的ですがこれには何かあるのでは、と期待していったん normal 方向へのスイッチを試みたのですが、なぜか2、3回やり直しても2つの 1x2x2 が残らない、ということが起こりました。今やり直してみるとそんなことはないので何かを読み違えていたかと思うのですが、どうもこういう基本的な技術のところでひっかかってしまうことが時々あります。このところでも結構時間を消費してしまいました。
仕方がないのでそのまま inverse 方向でのブロックビルディングを続けまして、何とか時間内に無理やりひねり出した解が以下となります。(特筆すべきところはないです)
(U' L U) //pair x4 (3)
(B2 U B U') //1x2x2 x2 (4/7)
(L' B' U L' B2) //2x2x3 (5/12)
(B R B' D' R D R) R2 //F2L-1 (7-1/18)
D2 R D R' //F2L-1C (4/22)
B' L' D' L D B //5C (6/28)
skeleton:
R2 D2 % R D R'
B' L' D' L D B
R' D' R' D * B R' B
L U' B L
U B' U' B2
U' L' U
* = D F2 D' B' D F2 D' B //(8-2/34)
% = F' R' B R F R' B' R //(8-1/41)
solution:
R2 D2 F' R' B R F R' B' R2 D R'
B' L' D' L D B
R' D' R' D2 F2 D' B' D F2 D' B2 R' B
L U' B L
U B' U' B2
U' L' U
//41 moves (optimal 39)
インサートも時間ぎりぎりであまりよくないのですが、それよりもスケルトンまでこれだけ手数がかかったしまったのは不本意でした。
時間外
このまま終わると残念な気持ちのままになってしまうので、もっといい解が出せなかったかを模索してみます。
まず 1x2x2 が2つの状態から inverse 方向で進めて、以下の 25手 5C のスケルトンを見つけました
(U' L U) //pair x4 (3)
(B2 U B U') //1x2x2 x2 (4/7)
(L2 B) //2x2x2 (2/9)
R' D2 R D R D //F2L-1 (6/15)
R' F R' F' //F2L-1C (4/19)
U' B' R' B R U //5C (6/25)
//optimal 35
optimal が35手ということで、せめてこれくらいを時間内に出したかったところです。
また、もともと試したかった 1x2x2 の状態から normal 方向へのスイッチを再度試したところ、以下の24手 3C のスケルトンが見つかりました。
(U' L U) //pair x4 (3)
(B2 U B U') //122 x2 (4/7)
D2 B' L' D2 R' D R L' //223 (8/15)
R F' R' F2 //F2L-1 (4-1/18)
F R D R' D' R' F' //3C (7-1/24)
//optimal 30
F2L-1 の状態から、これを崩す方向の F
より R D R'
で 1x2x2 作りを試みたところ、1x2x2 でなく 1x2x3 ができ、そのままラスト3Cの形になったのはちょっと感動するところでした。
optimal が30手というのは惜しいところですが、自分にとってはラスト3Cのスケルトンに出会うこともあまりないことなので、時間外とはいえこれが見つけられたのはよかったです。
結び
結果としては残念でした。ただ普段だとうまく行かなかった場合は、時間外で探しても結局いい解が見つけられないままであることも多いので、時間外でそこそこ納得いくスケルトンが見つけられたのは収穫ととらえたいと思います。
あとやはりNISSで失敗することをなくしたいものですね…。
もし今後、枠と自分の心の余裕があれば(3)にも挑戦するかもですが、それよりも様々な方に FMC Advent Calendar 2020 に挑戦して頂けると嬉しいです。初心者、FMC未経験の方にもぜひよろしくお願いします。
FMC Advent Calendar 2020 (1) 思考過程
この記事は FMC Advent Calendar 2020 1日目の記事です。
北村曉です。昨年に続き FMC Advent Calendar の初日を担当します。明日2日目も担当します。まだ空き枠が7つありますので、初級者の方もぜひ参加頂ければと思います。
scramble
(1) R' U' F R2 U R2 U F2 L2 D' R2 U B2 U' L' U F' L R2 D' F' L' R D' R' U' F
inverse scramble: F' U R D R' L F D R2 L' F U' L U B2 U' R2 D L2 F2 U' R2 U' R2 F' U R
方針
少し前までは EO first で全ての軸の EO をひと通り探索することを目標としていたのですが、あまりの探索速度の遅さに時間切れ DNF を連発していたので、最近はより現実的に、よさげな EO が見つかったらその時点でブロックビルディングしていく方針に切り替えております。自分の公式の平均記録が 35.67 なので、sub35 くらいの解が出せたらよいなと思います。
EO探索
まずFB軸の EO から探し始めるわけですが、bad edge の箇所が FD, RF, RB, BD の4箇所なので、
B2 [U2 L2] F*
F2 [U2 L2] B*
※[] は入れ替え可能、F* は F または F' を示してます。たむそんさんの記事より借用。
……というのが今見ると思い浮かぶのですが、なぜか試技時間中はこれを出せませんでした。(まだまだEO探索への習熟が足りないです)
そんなわけでFB軸の探索は一旦保留としまして次にLR軸を見てみると、今度は bad edge が LU, BD の2箇所であり簡単そうです。
L' B' L*
ただこれは c/e pair もなくあまりよさそうには見えません。そこで inverse scramble から探ってみると、
(L' D' L)
()はinverse方向を示しています。この結果を見ると、1つの c/e pair ができて 1x2x2 ブロックもすぐ作れそうなので、ここからブロックビルディングを始めてみます。
skeleton まで
inverse 方向のまま進めてみます。
U B2
で 1x2x2 を作り、やや強引ですが 2x2x2 に必要なあと1つのエッジを F2 L2
で 持ってきて U'
でUL側に 2x2x2 ができました。この状態で、R面側にはさらに c/e pair が3つ出来ており、なかなかよさそうです。
そこから R2 D F
でD面に1x2x2ブロックを作り、D2
で2x2x3ブロックが完成。
この状態でBR側にコーナー・エッジ・コーナーの 1x1x3 のバー、さらにF面で縦にエッジ・センター・エッジのバーができていたので、F2 R2
で1x2x3 ブロックが出来て、そこから F
するとL面を底とした F2L-1 の形、R面にはさらに 1x2x2ブロックができている形になっていました。
幸いパリティもなく、R2 F' U F U' R2
でエッジを合わせて、3コーナーの入れ替えと1コーナーひねり(twist)が残った 3C1T のスケルトンができました。
以下スケルトンまでの解です。コメント末尾の(数字)は手数と合計手数を示しています。
(L' D' L) //EO (3)
(U B2 F2 L2 U') //2x2x2 (5/8)
(R2 D F D2) //2x2x3 (4/12)
(F2 R2 F) //F2L-1 + 1x2x2(3/15)
(R2 F' U F U' R2) //3C1T (6/21)
一応各ステップで他に分岐がないか、NISSも含めて確認したのですが、今一ついいものを見つけられなかったので、これをそのまま採用としました。2x2x2 の後は別に 1x2x3 を作って何とかできそうにも見えたので、もし他にいい分岐があったら教えて頂けると有難いです。
インサート
上記を normal scramble からの解に直して、あとはインサートを探す作業です。結果以下の通りとなりました。
skeleton:
R2 U F' U' F R2
F' * R2 F2 D2 F' D' R2
U L2 F2 B2 U' L' D L
* = U L' U' % R2 U L U' R2 //(8-2/27)
% = U F D' F' U' F D F' //(8-2/33)
この時にも、最初に見つけたと思っていたインサートが実は間違いだったりなどのミスがあり、かなり時間を使ったのですが、何とか時間内ギリギリで2手ずつのキャンセルを見つけ、解を出すことができました。
solution:
R2 U F' U' F R2
F' U L' F D' F' U' F D F' R2 U L U'
F2 D2 F' D' R2
U L2 F2 B2 U' L' D L
//33 moves
Insertion Finderによると Optimal は3手キャンセルずつの31手なので、まだまだ探索の練習が必要なのところです。とは言え、目標の35手以内の解を出すことができてほっと一安心でした。
結び
なんとか解は出せたものの、EO探索やインサートなのでミスがでて時間がギリギリになってしまったのは反省点でした。もっと基本的な技術への慣れが必要と感じます。
明日も北村が担当します。スクランブル(2)を解きますのでよろしくお願いします。
4BLDのU2法をもっと楽に回したい!
この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2019 4日目の記事です。3日の記事はキラっちさんの 「スピード」キューバー人口を増やしたい でした。5日の記事は全てをホメてくれるSpeedCuberの妹botさんの 妹botの、 botに這いよる、 botまとめのヒーロー垢デミア (タイトルわかりにくい) です。
この記事は(自分を含む)4BLD初級者向けに、センターを揃える際の追加手順を提案するものです。前提知識として以下の記事を読むことをお勧めします。
- 4BLD入門(Y.Yさんからの寄稿) | Cube Voyage ぜひ読みましょう!
- FMC解説 - 7. Commutator コミュテータの仕組みについて。(記事内でインターチェンジ、インサート の用語を使用します)
目次
動機
4BLDの初級者向けセンター解法であるU2法は、とても分かりやすくお得な解法だと思います。パーツの2点交換が セットアップ + U2
だけでできて、パリティ処理も追加で U2
を回すだけでよいというのは、3BLDのM2法・Old pochmann法と比べてなんと簡単なことでしょうか。
しかしそんな便利なU2法にも、例外的に難解で長い手順が存在します。
Urb | l u' l' U' l u l' U' l u' l' U2 l u l' U2 = (a) |
Ulf | l u' l' U l u l' U l u' l' U2 l u l' U2 = (b) |
16手! 他のセンターパーツ(側面)の手順が7手または9手なのに比べるとかなりの長さです。しかも上記は奇数回目の交換の場合であり、偶数回目ではそれぞれ逆にしなければなりません(偶数回目では Urb は (b)、Ulf は (a) の手順を使います)。それぞれバッファ(Ubl)のすぐ隣のパーツであるのに、交換には他より多くの手数がかかってしまうというのはキューブパズルの不思議なところ。
これらの手順を実際に回すのはとてもとても面倒ではありますが、しかしセンター3-cycleに移行するのはハードルが高く、U2法の手軽さは捨てがたいです。そこで、「通常はU2法を使い、U面のUbr, Uflを含む2点についてはコミュテータで3点交換すればいいのでは」という考えが浮かびました。
Ubl→Urb→R面
そんなわけで、以下に自分が採用している3-cycle(3点交換)手順について説明していきたいと思います。まずは Ubl→Urb→* という交換について。
例として Ubl→Urb→Ruf のコミュテータを考えてみます。
この場合、インターチェンジ面はU面となります。インサートについては、バッファ(Ubl)を1番目として3番目のパーツ(Rfu)を、バッファの位置にインサートすることを考えます。つまり手順としては
l u l'
で Ruf をバッファ位置にインサート。U'
で Urb をバッファ位置にインターチェンジ。l u' l'
でインサートの逆手順。この時 Urb にあったパーツが Ruf に移ることになります。U
でインターチェンジ戻し。
まとめて l u l' U' l u' l' U
となります。(リンク先の alg.cubing.net で動きを確認できます)
これで8手。U2法で Urb と Ruf をそれぞれ交換すると 16 + 7 = 23 手かかるのと比べると、かなり楽になったのではないでしょうか。
以下、この手順について [l u l', U']
というコミュテータの表記を使います。([A, B] = A B A' B'
)
さて、バッファにインサートしやすい位置にあった Ruf についてはこれでよいとして、R面の他のパーツについて考えてみます。実はセンターの場合は面を回すことで簡単に位置関係を変えられるので、R面の他のパーツについては、Rを回して Rfu の位置にセットアップすればよいわけです。
そんなわけで Ubl→Urb→R面 の手順をまとめると以下の通りとなります。
Ubl→Urb→Rbu | [R': [l u l', U']] | R' l u l' U' l u' l' U R |
Ubl→Urb→Rdb | [R2: [l u l', U']] | R2 l u l' U' l u' l' U R2 |
Ubl→Urb→Rfd | [R: [l u l', U']] | R l u l' U' l u' l' U R' |
Ubl→Urb→Ruf | [l u l', U'] | l u l' U' l u' l' U |
2つ目のカラムがコミュテータの表記、3つ目が実際の手順です。また、セットアップを表す記法 [A: B]
を追加で導入します。([A: B] = A B A'
)
なお、Ruf 以外の3点についても、セットアップを使わないピュアコミュテータの手順は存在します。
Ubl→Urb→Rbu | [U, r' u r] | U r' u r U' r' u' r |
Ubl→Urb→Rdb | [l' d l, U'] | l' d l U' l' d' l U |
Ubl→Urb→Rfd | [U, r d r'] | U r d r' U' r d' r' |
しかしながら、以下の点を考慮して、この記事では面ごとに基準の1パーツを考え、他のパーツについてはセットアップを用いた手順を採用としたいと思います。
- 覚える手順のパターンをなるべく少なくする。
- 手順をインサート→インターチェンジの順に統一することで、逆向きの手順も分かりやすくなる。(後述)
- Ublバッファにインサートする手順は、Ubl→Ulf→* の手順にも応用できる。(後述)
また、Ublバッファへのインサートは上記の Rdb 手順のようにB面側からインサートする手順もありますが、(手順を練習する際の)見やすさのため、この記事ではF面側からインサートする手順を使っていきたいと思います。
Ubl→Urb→L面
同様にL面パーツについても考えてみましょう。基準のパーツは Lub となります。
インサートは l u' l'
、インターチェンジは先と同じく U'
であるため、手順としては [l u' l', U'] = l u' l' U' l u l' U
となります。他パーツの手順もまとめると以下の通り。
Ubl→Urb→Lfu | [L': [l u' l', U']] | L' l u' l' U' l u l' U L |
Ubl→Urb→Ldf | [L2: [l u' l', U']] | L2 l u' l' U' l u l' U L2 |
Ubl→Urb→Lbd | [L: [l u' l', U']] | L l u' l' U' l u l' U L' |
Ubl→Urb→Lub | [l u' l', U'] | l u' l' U' l u l' U |
Ubl→Urb→F面、B面
F面、B面に関しては、例えば持ち替えをせずに Bur をバッファにインサートするような手順(l u2 l'
)もありますが、内層の u2, d2
回しは指の力を使うので、できれば避けたいところ。
なのでF面、B面は最初に y
持ち替えを行い、L面・R面と似た形で考えたいと思います。持ち替えをすることでセットアップも L または R 回しになり、やり易くなるかと思います。
まずはF面から。基準のパーツは Fru です。インサート手順は y
持ち替え後の r' u' r
、インターチェンジは変わらず U'
。手順は [y: [r' u' r, U']] = y r' u' r U' r' u r U y'
となります。
B面の基準パーツは Blu です。手順は内層 u
の向きが変わって [y: [r' u r, U']] = y r' u r U' r' u' r U y'
となります。
他パーツ手順も含め、まとめると以下の通り。
Ubl→Urb→Fru | [y: [r' u' r, U']] | y r' u' r U' r' u r U y' |
Ubl→Urb→Fdr | [y L': [r' u' r, U']] | y L' r' u' r U' r' u r U L y' |
Ubl→Urb→Fld | [y L2: [r' u' r, U']] | y L2 r' u' r U' r' u r U L2 y' |
Ubl→Urb→Ful | [y L: [r' u' r, U']] | y L r' u' r U' r' u r U L' y' |
Ubl→Urb→Blu | [y : [r' u r, U']] | y r' u r U' r' u' r U y' |
Ubl→Urb→Bdl | [y R': [r' u r, U']] | y R' r' u r U' r' u' r U R y' |
Ubl→Urb→Brd | [y R2: [r' u r, U']] | y R2 r' u r U' r' u' r U R2 y' |
Ubl→Urb→Bur | [y R: [r' u r, U']] | y R r' u r U' r' u' r U R' y' |
Ubl→Urb→D面
D面パーツとの交換は少々考えどころです。例えば l2 D' l2 D l2
で Dlb をバッファに直接インサートすることもできるのですが、ここではU2法で既に手に馴染んでいる r2 D' r2 D r2
のインサートをそのまま流用することにしてみます。そのためには最初に U2
のセットアップを行います。
基準のパーツはU2法の時と同じく Drf。セットアップ U2
、インサートは r2 D' r2 D r2
、インターチェンジはこれまで同様 U'
なので、手順は [U2: [r2 D' r2 D r2, U']] = U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U'
となります。
一見長くて分かりにくいですが、5手インサートを X に置き換えると、U2 X U' X U'
という仕組みになります。最初に U2
を回し、あとは U'
で1つずつ戻る、と考えましょう。
D面の場合では5手インサートを使うので手順が長くなってしまいますが、それでも Urb と Drb をU2法で回すのと比べると、16 + 11 = 27 手から 13手と 1/2 以下に減らせることになり、かなりお得に感じられるのではないでしょうか。
D面手順のまとめは以下の通りです。
Ubl→Urb→Drf | [U2: [r2 D' r2 D r2, U']] | U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U' |
Ubl→Urb→Dbr | [D' U2: [r2 D' r2 D r2, U']] | D' U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U' D |
Ubl→Urb→Dlb | [D2 U2: [r2 D' r2 D r2, U']] | D2 U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U' D2 |
Ubl→Urb→Dfl | [D U2: [r2 D' r2 D r2, U']] | D U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U' D' |
Ubl→Ulf→*
さて Ubl→Urb→* という交換手順の説明は以上ですが、習得を要する手順としてはまだ 1/4 の量です。別のU面パーツである Ubl→Ulf→* という交換についてはどうなのか。
実は先にも述べていた通り、これまで説明した手順は全てバッファ Ubl にインサートする手順なので、Ubl→Ulf→* の交換にも応用することができます。必要なのはこれまでのインターチェンジ U'
を U
に置き換えるだけです!
念のため実例を見てみましょう。最初のように Ubl→Ulf→Ruf のコミュテータを考えます。
バッファ Ulb へのインサートは l u l'
、インターチェンジは Ufl パーツをバッファ Ubl の位置に移動させるため U
となります。つまり手順ととしては [l u l', U] = l u l' U l u' l' U'
となります。
Ulb→Urb→Ruf | [l u l', U'] | l u l' U' l u' l' U |
Ulb→Ulf→Ruf | [l u l', U] | l u l' U l u' l' U' |
比べてみると、インターチェンジが替わるだけというのが分かるのではないでしょうか。
そんなわけで、Ubl→Urb→* の手順が分かっていれば、Ubl→Ulf→* の手順もほぼ分かったも同然ということになります。いちおう手順をまとめると以下の通りとなります。
Ubl→Ulf→Rbu | [R': [l u l', U]] | R' l u l' U l u' l' U' R |
Ubl→Ulf→Rdb | [R2: [l u l', U]] | R2 l u l' U l u' l' U' R2 |
Ubl→Ulf→Rfd | [R: [l u l', U]] | R l u l' U l u' l' U' R' |
Ubl→Ulf→Ruf | [l u l', U] | l u l' U l u' l' U' |
Ubl→Ulf→Lfu | [L': [l u' l', U]] | L' l u' l' U l u l' U' L |
Ubl→Ulf→Ldf | [L2: [l u' l', U]] | L2 l u' l' U l u l' U' L2 |
Ubl→Ulf→Lbd | [L: [l u' l', U]] | L l u' l' U l u l' U' L' |
Ubl→Ulf→Lub | [l u' l', U] | l u' l' U l u l' U' |
Ubl→Ulf→Fru | [y: [r' u' r, U]] | y r' u' r U r' u r U' y' |
Ubl→Ulf→Fdr | [y L': [r' u' r, U]] | y L' r' u' r U r' u r U' L y' |
Ubl→Ulf→Fld | [y L2: [r' u' r, U]] | y L2 r' u' r U r' u r U' L2 y' |
Ubl→Ulf→Ful | [y L: [r' u' r, U]] | y L r' u' r U r' u r U' L' y' |
Ubl→Ulf→Blu | [y : [r' u r, U]] | y r' u r U r' u' r U' y' |
Ubl→Ulf→Bdl | [y R': [r' u r, U]] | y R' r' u r U r' u' r U' R y' |
Ubl→Ulf→Brd | [y R2: [r' u r, U]] | y R2 r' u r U r' u' r U' R2 y' |
Ubl→Ulf→Bur | [y R: [r' u r, U]] | y R r' u r U r' u' r U' R' y' |
Ubl→Ulf→Drf | [U2: [r2 D' r2 D r2, U]] | U2 r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U |
Ubl→Ulf→Dbr | [D' U2: [r2 D' r2 D r2, U]] | D' U2 r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U D |
Ubl→Ulf→Dlb | [D2 U2: [r2 D' r2 D r2, U]] | D2 U2 r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U D2 |
Ubl→Ulf→Dfl | [D U2: [r2 D' r2 D r2, U]] | D U2 r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U D' |
D面パーツの手順の仕組みは U2 X U X U
となります。今度は最初に U2
して、U
で1つずつ戻る、と覚えましょう。
Ubl→*→Urb および Ubl→*→Ulf
さて習得すべき手順の 1/2 が終わったわけですが、これまでとは逆向きの 3-cycle、Ubl→*→Urb および Ubl→*→Ulf がまだ残っています。
しかし、これは単にインサートとインターチェンジの順序を入れ替えるだけで済みます。つまりこれまでの「インサート→インターチェンジ」で始まる手順を、「インターチェンジ→インサート」という順序にすることで、逆向きの3点交換となります。
例として、Ubl→Urb→Ruf およびその逆向きの Ubl→Ruf→Urb の手順は以下のようになります。
Ubl→Urb→Ruf | [l u l', U'] | l u l' U' l u' l' U |
Ubl→Ruf→Urb | [U', l u l'] | U' l u l' U l u' l' |
実際にキューブを使って練習する場合、この逆向きの交換はU面パーツの区別がつきにくいので、最初のうちはステッカーを貼って見分けがつくようにしてみるとよいかと思います。
また、D面手順については U2
のセットアップがあるため、少々注意が必要です。
Ubl→Urb→Drf | [U2: [r2 D' r2 D r2, U']] | U2 r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U' |
Ubl→Drf→Urb | [U2: [U', r2 D' r2 D r2]] | U r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U2 |
Ubl→Drf→Urb の手順の仕組みは U X U X U2
となります。最初は Urb を Ufr(インサート位置) に持ってくる U
、もう一度 U
をして、最後に U2
で戻す、と覚えましょう。
Ubl→Ulf→Drf | [U2: [r2 D' r2 D r2, U]] | U2 r2 D' r2 D r2 U r2 D' r2 D r2 U |
Ubl→Drf→Ulf | [U2: [U, r2 D' r2 D r2]] | U' r2 D' r2 D r2 U' r2 D' r2 D r2 U2 |
Ubl→Drf→Ulf 手順の仕組みは、最初が U'
の U' X U' X U2
となります。
というわけで逆向き 3-cycle については全手順の記載は省略し、説明を終えたいと思います。
結び
これらの3-cycle手順が習得できれば、これまで面倒だった Urb および Ufl パーツに対する抵抗感はかなり減るかと思います。逆に手順としてはかなり減るため、U2法がより楽しくなってくるのではないでしょうか。
自分としてはこれらの手順を足掛かりとして、他のセンター3-cycleについても少しずつ習得できるとよいなと考えていますが、他の4BLD初級者の方にも、本記事がそのようなきっかけとなれば幸いです。
また、5BLDの+センターについても同じように Ur, Ul パーツを含む 3-cycle を習得し、いつかまとめ記事を書いてみたいと思います。(他の方に書いて頂いても全然OKです!)
最後に、4BLD入門 の著者であるふわさん、Y.Y さんに感謝を述べたいと思います。この入門記事のおかげで自分も 4BLD ができるようになりました。有難うございます。また、Y.Y さんには YRCC にて多分割BLDについてお話を伺い、そのことがこの記事に述べた 3-cycle 手順を考えるきっかけとなりました。
FMC Advent Calendar 2019 (1) 思考過程
この記事はFMC Advent Calendar 2019 1日目の記事です。2日目の記事は佐村健人さんの CFOPで解く人生二度目のFMC : さむぶろぐ です。
FMCは好きなので、この Advent Calender には意気揚々と初日に参加登録してみたものの、実際にお題(1)を解いてみたところ自分としては不本意な結果となってしまいました。とはいえこの思考過程がどなたかの何かの参考になれば幸いです。
注意として、以下に記載する回転記号は基本的に色固定となります。つまり U=白、D=黄、F=緑、B=青、L=橙、R=赤 の(センターパーツがある)面を示しています。
手順についてはなるべく alg.cubing.net へのリンクを張っています。キューブが手元になくても状態や動きを確認できるかと思います。
また、FMC特有の技術に関しては文中内で WRCCさんのサイト 等へのリンクを設けていますので、併せてご参照頂ければと思います。
scramble:
(1) R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F
2x2x2 ブロック
自分はまだ EO から解くようなことはできないので、ブロックビルディングで 2x2x2 ブロック作りを目指します。このスクランブルだとBR側に白赤緑の c/e ペア(1x1x2ブロック)があり、F側に緑センターとくっついた白緑エッジがあるので、これを生かして 1x2x2 ブロックができそうだなと考えました。
最初の一手を B'
とすると、赤白のエッジも赤センターとくっついていい感じになりそうに見えたので、そこから以下のように 1x1x2 ブロックを作る手を見つけました。
B' D F L' //1x1x2
そこからさらに赤白エッジを白センターにもくっつけて、計6手で白緑赤の 2x2x2 ブロックを作ることができました。
B' D F L' //1x2x2
R' F2 //2x2x2
ブロックビルディングをする上では 2x2x2, 2x2x3, F2L-1 の各ステップで5手以内を目指したいので6手はやや不満ではあります。しかし inverse scramble も含めて検討したものの、この時(制限時間60分内での思考)では他の 2x2x2 ブロックを作る手が見つからなかったので、ひとまずこの手を採用としました。
B' D F L' R' F2 //2x2x2 (6)
2x2x3 ブロック
さて 2x2x2 まではできたものの、ここから 2x2x3 ブロックに拡張するのは少々難しいと感じました。
できれば 2x2x2 ができたところで、他に 1x1x2 ブロックができていると有難いのですがそれも無し。こういう場合はまず 2x2x2 ブロックを崩さない面(今回だと L, D, B)を1手ずつ総当たりで探してみるのですが、コーナーとエッジが繋がる手はありませんでした。
一見惜しいのが、D面側に赤黄エッジ・青黄エッジが黄センターとL字型に繋がっているところ。あとはここに赤青黄コーナー(図では右上にあります)を入れて 1x2x2 ブロックにすれば、疑似 2x2x3 ブロックに持ち込めそうです。
ただしこれを利用して疑似 2x2x3 ブロックを作ろうとすると、
U B' R B R' U' //another 1x2x2
D' //pseudo 2x2x3, premove D
と7手、premove を含めると8手かかる手順しか見つけられず、これは手数がかかり過ぎると感じました。
他にいい手も見つからなかったので、NISS を使って inverse 方向から探索してみることにします。
//switch to inverse
F2 R L F' D' B //(2x2x2)'
F' U R D2 L' B' L2 B U' R L F D2 F L2 F' R2 U2 D2 R2 B D' L' F' U R //inverse scramble
ちなみに、inverse scramble をあらかじめメモ書きする方もいるかとは思いますが、自分は noramal scramble を見て脳内変換して inverse scramble を回すようにしています。NISS を使う場合はそれまでに解いた手順もその場で逆変換する必要があるので。
さて inverse 方向を見てみると、先ほど検討したL字のブロックとコーナーの位置関係が少々変化していました。ここからであれば inverse sexy move で
U B U' B' //another 1x2x2
と、2x2x2 を崩さずに 1x2x2 ブロックを作り、
D' //pseudo 1x2x2, premove D
で、疑似 2x2x3 ブロックができました。これでも premove を含めると6手となってしまいますが、他にいい手も見つけられず、この手を採用としました。
ここまでの手順を FMC におけるコメント書きにすると以下のようになります。()内は inverse 方向の手順であることを示します。
B' D F L' R' F2 //2x2x2 (6)
(U B U' B' D') D' //2x2x3 (6/12)
premove は1手のNISSとみなせるので、inverse 方向で premove を使う場合は normal 方向に1手追加することになります。
F2L-1
次は F2L-1 の形を目指します。まずはこれまでの流れから inverse 方向で
//to 2x2x3 (inverse)
D //(premove)'
F2 R L F' D' B //(2x2x2)'
F' U R D2 L' B' L2 B U' R L F D2 F L2 F' R2 U2 D2 R2 B D' L' F' U R //inverse scramble
U B U' B' D' //2x2x3
という形から F2L-1 への手順を検討しますが、いまいち短手数で辿りつける手が見えなかったので、さらに normal 方向へ NISS してみます。
//to 2x2x3 (normal)
D B U B' U' //(2x2x3)'
R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F //normal scramble
B' D F L' R' F2 D' //2x2x2 + premove
ここで B
とすると、赤クロスの F2L-2 の形になります。さらに青白エッジと赤青白コーナーが目に留まったので、一旦 B
する前に L2
しておくと、いわゆるT型のF2Lの位置関係にすることができます。
L2 B //F2L-2
L2 U' L' U //F2L-1
ということで、ここでも6手かかってしまいましたが、F2L-1 の形に持ち込めました。
B' D F L' R' F2 //2x2x2 (6)
(U B U' B' D') D' //2x2x3 (6/12)
L2 B L2 U' L' U //F2L-1 (6/18)
なかなかいい手が見つからない中、ここまでで30分くらい経過しているため、インサート探索に必要な時間を考えると焦りがでてきています。
エッジ合わせ
ここからエッジを揃えてコーナーを数個残した状態を目指します。理想的には、
- L面側で 1x2x2 を作り、
- エッジの3点交換を用いてラスト3コーナー(L3C)の形を目指す。
という手法で行きたいところなのですが、焦りもありそこまでの手が見えなかったので、
- 取り合えず F2L 残り4つ目のエッジだけを入れる。
- 短手数の OLL 手順を利用してエッジを合わせ、最低限ラスト5コーナー(L5C)の形を目指す。
という手法を取ることにしました。(このあたりの詳しい説明はWRCCの解説をご参照下さい)
//to F2L-1 (normal)
D B U B' U' //(2x2x3)'
R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F //normal scramble
B' D F L' R' F2 D' //2x2x2 + premove
L2 B L2 U' L' U //F2L-1
という状態から検討するわけですが、L面を見るとエッジが反転しているものが多く、あまりいい状態ではありません。なので
D' B D B' //F2L#4 edge
と、sledgehammer のようにして、青黄エッジを入れつつL面のエッジを2つ反転させました。
L面(のエッジ)を見るとLの形になっているので、ここは最も短い OLL 44 (F U R U' R' F'
)、またはその鏡手順を使いたいのですが、エッジの位置関係からこれは使えませんでした。ここでは OLL 6 (Rw U2 R' U' R U' Rw'
) か OLL 7 (Rw U R' U R U2 Rw'
)、またはそれらの鏡手順が必要になります。
ちなみにOLL手順でエッジの位置がどのように変わるかについては、以前自分がまとめたものがありますので、よろしければご参照ください。
ここではまずL面を上、U面を正面として OLL 6 の手順を適用してみました。(2層回しは1層回しの手順に置き換えています)
F U2 B' U' B U' F' L' //OLL 6 + adjust L face
5コーナーが残った形にはなったのですが、2つのコーナーが正しい位置で捻った状態(2CO+3CP)になっており、これを解決するとなるとインサートが3回必要になってきます。
なので別手段として、同じ向きから OLL 7 の鏡手順(Lw' U' L U' L' U2 Lw
)を適用してみます。
B' U' F U' F' U2 B L' //OLL 7(mirror) + adjust L face
この場合では 1CO+3CP のラスト4コーナーが残った形(L4C)となりました。実のところL4Cを解決するのはL5C(5CP)の場合より難しいと思っているのですが、たまたま F2L#4 edge の最後の B'
と1手キャンセル(B' B' = B2
)できることもあり、この手を採用することにしました。
B' D F L' R' F2 //2x2x2 (6)
(U B U' B' D') D' //2x2x3 (6/12)
L2 B L2 U' L' U //F2L-1 (6/18)
D' B D B' //F2L#4 edge (4/22)
B' U' F U' F' U2 B L' //1CO+3CP (8-1/29)
ここまでで29手。2回インサートをしてキャンセルがないとなると+16手になるので、これを sub40 (40手未満) の解にするのはかなり厳しそうです。
実際に解いていた時は正確な手数まではカウントしていないのですが、ぱっと見であまりいい結果にはならなそうだと悲観的な感情に支配されておりました。しかしなんとか解を出すところまでは辿りつきたいところ。
skeleton
L4Cの形まで辿り着きましたが、上記の解の手順では normal 方向、inverse 方向の手順が混ざった状態ですので、これを一旦 normal scramble からの解の形に書き直します。書き直す際の手順としては、
- まず normal 方向(括弧の外)の手順を、先頭側からそのまま書く。
- 次に inverse 方向(括弧の中)の逆手順を、末尾側から書く。
ということになります。今回の場合だと以下のようになりました。
//skeleton:
B' D F L' R' F2
D'
L2 B L2 U' L' U
D' B D B2
U' F U' F' U2 B L' //normal
D B U B' U' //(inverse)'
実際に回してみると確かに4つのコーナーを残して揃った状態になっていることが分かるかと思います。
これまでの過程でメモ書きのミスなどをしていると、この skeleton への変換でミスが表面化するので、このステップは割と重要だと考えています。実際に解いていた時にも1箇所 '
の抜けがあり、訂正するのに少々時間がかかりました…。
これでようやく、残ったコーナーを解決するインサート手順を加えれば解を出せるところまで辿り着いたことになります。
インサート探索
ここからは残ったコーナーにステッカーを貼って、解の中でコーナーを解決する手順を探っていくわけですが、今回のような 1CO+3CP の場合、自分は以下のようにステッカーを貼っています。
- 3CP のコーナー3つについて、1から4までのステッカーを貼る。(1つのコーナーには1と4のステッカーが貼られる)
- 1CO のコーナーについて、自分にわかるように適当なステッカーを貼る。(今回は"6"のステッカーを貼っています)
実際に貼ったところはこのような感じです。
まず出発点として1つのコーナーに1を貼り、そのコーナーが本来入る場所に2のステッカーを貼り…、という風にしていきます。1CO+3CP の場合、3CP はねじれたループになるため、3が入るところは1のステッカーとは別の面になり、そこに4を貼ります。ステッカーを貼る面・向きも重要です。
捻って入っている1COのパーツについては、とりあえずCOであることが分かればよいです。
そしてインサートの探し方としては以下のようになります。
- 1→2 or 2→3 or 3→4 と、6 を絡めた3点交換の手順を探し、まずは1つのコーナーを解決して残り3コーナーとする。
- この時、6のステッカーについては貼る向きを任意に変えてよいものとする。
- 残ったコーナーに1~3のステッカーを貼り直し、3点交換する手順を探す。
時間もなくなってきているので、まずはステッカーを貼ったところから逆に手順を回して1つ目のインサートを探します。2回インサートが必要な場合は少なくとも2手のキャンセルがほしいので、2手ごとに確認していきます。(cf. WRCC解説)
ただこの時はなかなか2手以上キャンセルする手順を見つけられず、以下の *
まで辿ったところでようやく1つ見つかりました。
//skeleton
B' D F L' R' F2 D'
L2 B L2 U' * L' U
D' B D B2 U' F U' F' U2 B L'
D B U B' U'
* = B L' F' L B' L' F L
実際にステッカーを貼っている場合の位置関係は以下のようになってます。
ここで B L' F' L B' L' F L
とすると 3→4→6 という3点交換が行われるのですが、この末尾の L
が skeleton での次の手順 L'
と相殺され、2手キャンセルとなります。
これで残りの手順を回すと、3(白青橙)のコーナーが解決され、3点が残る状態となりました。
この残った3点に改めて1~3のステッカーを貼り直し、またインサートを探索していきます。ただこの時は2手以上のキャンセルを見つけられず、以下の **
の場所での1手キャンセルで妥協する結果となりました。
//skeleton
B' D F L' R' F2 D'
L2 B L2 U' * L' U
D' B D B2 U' F U' F' U2 B ** L'
D B U B' U'
* = B L' F' L B' L' F L
** = U R' U' L U R U' L'
これでインサート手順を加えてキャンセルを解決し、以下の42手の解を出すことができました。
scramble:
R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F
B' D F L' R' F2 //2x2x2 (6)
(U B U' B' D') D' //2x2x3 (6/12)
L2 B L2 U' L' U //F2L-1 (6/18)
D' B D B' //F2L#4 edge (4/22)
B' U' F U' F' U2 B L' //1CO+3CP (8-1/29)
skeleton:
B' D F L' R' F2 D'
L2 B L2 U' * L' U
D' B D B2 U' F U' F' U2 B ** L'
D B U B' U'
* = B L' F' L B' L' F L //(8-2/35)
** = U R' U' L U R U' L' //(8-1/42)
solution:
B' D F L' R' F2 D'
L2 B L2 U' B L' F' L B' L' F U
D' B D B2 U' F U' F' U2 B U R' U' L U R U' L2
D B U B' U'
(42 moves)
反省
以上のように自分では合計3手キャンセルのインサートしか見つけられなかったのですが、後に Insertion Finder で確認してみると、実は計9手のキャンセルがあったようです。1つめのインサートで6手のキャンセルがあり、ここは探索で通り過ぎていたところなので、ぜひとも見つけておくべきでした。
なお6キャンセルがある箇所のステッカーの位置関係は、以下の通りでした。
1→2→6 : U B D B' U' B D' B'
ここでは U
で 2 と 6 がインターチェンジとなっています。おそらく解いていた時の探索では 1と2、2と3、3と4 がインターチェンジとなるコミュテータのみを注目しており、このように 6 と他のパーツがインターチェンジとなるものを見ていなかったのが見落としの原因だったと思います。
6 のステッカーはそれまでの探索で貼る向きを変えていた可能性もあり、そこも見落としの要因の一つであったでしょう。このように CO があるインサートは自由度が高いのですが、その分探索が難しくなってきます。とはいえこの見落としは今後注意すべき点であることを認識できました。
あと、2x2x2 ブロックの作成についてですが、今回のように白赤緑の 1x1x2 と白緑エッジを利用する場合でも、他に以下の手順があるなあと後日気付きました。
B F U' L U2 F2 //2x2x2
F2 R' B' U R' F //2x2x2
後者の場合では BD 側に橙青黄の 1x1x2 のブロックができており、かなり有利そうです。自分では skeleton までの手順で以下のものを見つけました。
F2 R' B' U R' F //2x2x2 (6)
(D B L B2) B //2x2x3 (5/11)
D B D B' //F2L-1 (4/15)
L F L F'
F' D F D' L2
D F' D' F L //L3C (13/28)
skeleton:
F2 R' B' U R' F
B
D B D B'
L F L F'
F' D F D' L2
D F' D' F L
B2 L' B' D'
本番でもこのくらいの手順を見つけたいところであります。
実際解いている時、いかに自分がうっかりしていたかということを再認識させられました。FMC は頭がすっきりした状態で臨みたいものです。
結び
記事は以上となります。長々となってしまい申し訳ありません。自分としては不本意な結果でしたが、例えば FMC の手法を学び始めた方に、解を出すまでの流れについて参考になればと思い、なるべく詳しく書いてみました。Advent Calender の後日の方々の思考過程もぜひご参照下さい。
明日は佐村健人さんの記事です。(誕生日おめでとうございます!)