link textを選択する

個別記事へのリンクを考えるに対して、三宅さんより言及を頂いていました。

さらに所謂 リンク文字列 がリソースを説明していなければならない必然性はない。

必然性は無い、というのは自分も同意です。「リンク文字列link textはリンク先に何があるかを説明したものの方がよい」というのは、「そうした方が便利だよ」という使い勝手usabilityの問題と考えています。

ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0 HTML技術書6.1 リンクしている部分の言葉では、リンク文字列について以下のような利用のされ方の例が挙げられています。

音声で利用しているユーザー(目の見えない人、見ることが困難な人、小さな画面を利用している人やディスプレイを使用していない人)は、そのページを素早 く目で拾い読みすることができません。このようなユーザーは、ページの概要を知るため、または早くリンクを探すために、リンクからリンクへタブで移動した り、ページ上のリンクのリストを調べ直したりします。

このような場合には、リンク文字列そのものがリンク先の説明になっていた方が、読み手にとって分かり易いと思います。

事前に説明があれば、全体の文意は通ります。

という三宅さんの言は、言い換えれば「事前の説明を読まないと意味が通じない」ということなのでは。文章全体の意味をきちんと伝えつつ、リンク文字列を適切に選択すれば、より使い勝手のよいHTML文書となるものと思います。

とは言え、まずリンク文字列を考え、それに合わせた文章を書くというやり方は、自分も本末転倒だと思います。そこまでせずとも、まず読み手に伝えたい文章があり、その文章と他のリソースをリンクによって関連付けたいのであれば、リンク文字列に適した言葉は既に文章の中にあるものと考えます。わざわざ「ここ」のような言葉を持ち出さなくとも。

文章中にあり、リンク文字列として最も適していると思われる言葉であっても、リンク先の説明と言うには不十分なようであれば、リンクアンカーにtitle属性を加えて説明を補うのがよいと思います。

原則として、文章は HTML のために書いているわけではない。

これについても同意します。そして、「ここ」のような言葉をリンク文字列として使った文章は、HTMLが提供するハイパーリンクの仕組みに依存した、まさにHTMLのために書かれた文章だと考えます。紙に書かかれた文章では、「……についてはこちらを参照」と書かれても何の意味も持ちません。