徒書

2001年11月分。


いつのまにか

何となく更新しそびれてました。いつのまにか11月です。曲がるストローを逆向きに液体へ挿してしまうという失態をしでかしてしまい、自らの不甲斐なさを嘆いております。

いつのまにか60000アクセスを突破してました。

いつのまにか誕生日も過ぎていました。かといって特に成長の跡もないようです。

そのような今日この頃。

(2001年11月3日)


水汲みクイズ

先日、言葉 言葉 言葉 掲示板へ(はじめて)投稿したのだが、そこでの話題に関連して、言葉さんという方から次のような問題の紹介があった。

水道水から水が流れつづけています。また、9リットルのカップと4リットルのカップが1個ずつ存在します。水が途中で捨てても良いので、最終的に7リットルの水が9リットルカップに残るようにするにはどうすれば良いか。

このような数学パズル的問題は好きなので、さっそく考えてみたところ、暫くして次のような答えを思いついた。

  1. 水道から9Lカップに水を汲む。
  2. 9Lカップから4Lカップ一杯に水を注ぐ。9Lカップには5Lの水が残る。
  3. 4Lカップの水を捨て、再度9Lカップから4Lカップ一杯に水を注ぐ。9Lカップには1Lの水が残る。
  4. 4Lカップの水を捨て、9Lカップに残った1Lの水を4Lカップに入れておく。
  5. 水道から9Lカップに水を汲む。
  6. 9Lカップから4Lカップ一杯に水を注ぐ。4Lカップには1Lの水が既に入っているので、このとき注がれる水は3Lになる。9Lカップには6Lの水が残る。
  7. 4Lカップの水を捨て、再度9Lカップから4Lカップ一杯に水を注ぐ。9Lカップには2Lの水が残る。
  8. 4Lカップの水を捨て、9Lカップに残った2Lの水を4Lカップに入れておく。
  9. 水道から9Lカップに水を汲む。
  10. 9Lカップから4Lカップ一杯に水を注ぐ。4Lカップには2Lの水が既に入っているので、このとき注がれる水は2Lになる。9Lカップには7Lの水が残る。■

……取り敢えず思いついた有効そうな方法をどんどん進めていけば解答に辿りついた、という感じで、クイズとしては少々物足りないような気も。もっとエレガントな解答があるのかもしれません(とか書いてる途中に、satoshiiさんよりもっと簡潔な解答が投稿されてました)。

* * *

ところでこの二つのカップでは7L以外でも量れないものだろうか、と考えてみると、上の文を見てたら1Lから8Lまでどれでも量れることに気付いた。1,2,5,6,7Lは既に上記に出ており、4,8Lは4Lカップを使えばすぐできるし、3Lは上記の続きをもう一手間やるだけだ。

では9Lと4Lのカップ以外ではどうか。例えば9Lと5Lだと、上記のような手続きを繰り返せばやはり1〜8Lまでどれでも量れ、11Lと4Lでも同様に1〜11Lまで量れた。

しかし10Lと4Lではどうか。この場合、単位を1Lでなく2L、つまり5・2L、2・2Lと考えれば、問題は本質的に5Lと2Lの場合と同じになる。この二つのカップから0.5Lを量ることは……(汗)……ちょっと無理っぽいので、10Lと4Lでは1〜10Lまで全てを量るのは無理そうだ。9Lと3Lでも同じことが言えるだろう。

以上のことから、この水汲み問題は次のように一般化できそうだ。

命題:m,n,xを自然数とする。十分な量の水があり、またmLとnLの二つのカップがある。汲んだ水は捨ててもよい。この場合、mとnが互いに素であるならば、mL以下の任意のxLの水を量りとることができる。

mとnが互いに素というのは、mとnに1以外の最大公約数が存在しないことです。

果たしてこの命題は真か偽か? それを解く楽しみは皆様方のためにとっておくと致しましょう(とごまかす)。

* * *

先の投稿文で、言葉さんは元の問題に続けて、「まさに、言葉と表現の関係は、このパズルのようなものであろうと思います」……と締めているのだが、そのこころはもしかすると「双方互いに全く異なるものでない限り、一方を用いてもう一方を分析することは難しい」ということだろうか。深い。

(2001年11月4日)



QBOOKSのこと

小説投稿サイトQBOOKSのスタッフをしているのですが、最近、次回バトル以降の作品HTMLの作成をまかされたので、準備をこつこつと進めております。具体的には大量ページを一括で作成するための秀丸マクロを作ったり、とか。perlでそれができればサーバ側で自動生成できるかなとも思うのですが、まだそこまでは力が及ばずにいます。ともあれ作るからには一応HTML 4.01 Strictとして妥当となるよう努める所存であります。

2chの観察スレッドからの影響か、本家の掲示板でも作品の感想で活況を呈していたので、触発されて自分も今回の1000字小説バトル作品の感想を書いてみました。しかし書いたとたんに誤読を指摘され、やはり感想は慎重に書かねばと反省したりも。

ただいま徳間書店「問題小説」が後援であるところの新世紀小説バトルが開催中なので、よければ作品を読んで投票頂けると有難いです(宣伝)。

(2001年11月10日)


ムーミンについて

つきねこ日記の現代用語の基礎的ではない知識と、さらにそこからひねもす本舗の現代用語の基礎的ではない知識[む〜むお]現代用語の基礎的ではない知識(の、ムーミン〜の項)を拝見。ムーミンファンなので興味深く読みました。つきねこ日記での「しかもアニメと書いてある――ムーミンは小説も書いてくれないと〜」という指摘には全面的に同意。

ムーミンパパ/ママという名には、単に呼び名というよりは尊称の側面があるように思われる。一家を支え、地域に貢献(たぶん)しているからこそ、ただのムーミンではなく、親しみと尊敬を込めてパパ/ママの尊称つきで呼ばれるのではなかろうか。それに比べれば、未だ何も為していない子供ムーミンなどただのムーミンで結構(←言い過ぎ)。

ムーミン谷の住人が主に種族名で呼ばれているのは、異郷の人をその故郷の地名で呼ぶ文化と相通ずるものがあるように思う。しばしば大阪から越してきた人の仇名が「大阪」になったりとか、ブランドンをディランが「ミネソタ」と呼んだりとか、沖縄出身の人が「オギナワ」と呼ばれたりとか、等々。

ヘムル(族)の人たちが他者から呼ばれるときには「ヘムレンさん」と語尾変化するところは、言語好きとしては注目すべき点だ。スナフキンは独自の名を持っているように見えるが、スナフキンという名は英語名の転用であり、原語ではスヌスムムリクなので、やはり種族名(ムムリク)がついてくる。ムーミンのガールフレンドも小説では「スノークのおじょうさん」であり、個別の名はない(スノークはムーミントロールとは別種族)。

ミムラねえさんは、個人的には「ミムラ姐さん」ではないかとやや希望混じりな推測をしているのだが、どうだろう。

* * *

現代用語の基礎的ではない知識より:

【ムーミン谷】 むーみんだに(アニメ/地名)
1.その名のとおりムーミンがいる谷の名前
2. ムーミンパパの名前についての疑問なんて可愛いものだ。ムーミン谷って・・・

ムーミン谷はムーミンパパが若き日の放浪の末に辿りつき、新しく村を作った場所なので、そう呼ばれる理由は十分あると思う。

【スナフキン】 すなふきん
1.ムーミンの話の中に出てくるさすらいのギター弾き。
一般的には世捨て人で知的なイメージがあり、人気のあるキャラクター。
2.あまりテレビでは語られないが、ミムラねえさんの息子で、ちっちゃなミーとは異父兄妹。

1.原作ではスナフキンはハーモニカ吹きであり、新しい方のアニメではその点改善されている。

2.ミイとは血縁ではあるが、彼らは異父姉弟(ミイの方が年上)である。ミムラねえさんとミイは姉妹で、母はまた別にいる。

スナフキンについては、何かを禁止する立て札を見ると異常なほどに怒り狂う、というホットな一面を持つことも見逃せない点だろう。

* * *

ムーミンの顔の輪郭部分のでっぱりは、あごではなくであり、口はその付け根部分(顎の下のように見えるところ)にあるということは、あまり広くは知られていない事実であるように思う。古いアニメで口が鼻の前面に描いてあるのは誤解釈で、新アニメではその点も改善されていた。河馬とは大きく異なる点だ(その前に大きさが全然違うが)。

参考リンク:

(2001年11月11日)


I FOUGHT THE LAWのコード進行

急に思い立って、The Clashの"I FOUGHT THE LAW"のコード進行を探ってみる(TVのCMに影響されたにしては遅すぎる反応だが)。

ウェブで見つけたタブ譜によると、"I fought the law and the law won"を二回繰り返すところは

D            D           G   D
I fought the law and the law won (twice)

となっているが、音を聞く限りでは

D            D           G   D
I fought the law and the law won
D            D           A   D
I fought the law and the law won

と、一回目と二回目で違うように聞こえる。……が、あまり音感に自信がないので、どっちを信じるべきか悩む。

* * *

別の手がかりを探しているうちに見つけたStray Catsバージョンの"I FOUGHT THE LAW"のコード譜によると、

(G)I fought the law and the (C/G)law (G)won, I fought the law and the (D7)law (G)won.

と、キーは違うがI→IV→I/I→V→Iと自分が聞こえたような進行になっているので、ここは自分の耳を信用することにしよう。

* * *

コード自体は覚えやすいが、イントロのリフの「ジャAジャGジャF#ジャDーン」のところを弾くのは難しい。

(2001年11月12日)


11月14日

abbr/acronymのtitleを本文に表示することについて:

中のお二人の意見(略語の正式名称は最初の状態では非表示)に賛成です。ページ製作者側で略語の意味を最初から表示させるのであれば、単にIBM(I Blame Microsoft)と書くだけでもよいような。それとも<abbr>IBM</abbr>(I Blame Microsoft)と書くべきか。

「読み易さ」の点で言えば、その略語が既知のものであった場合、正式名称までも表示されると自分にはちょっと繁雑に見えます。

* * *

border-colorプロパティで指定できる値は <color>{1,4} | transparent | inherit だけれど、簡略化プロパティのborderで指定できる値は [ <'border-width'> || <'border-style'> || <color> ] | inherit なので、borderプロパティではtransparentの指定はできない(色の指定のみ)、ということか。……というのはおはぎののーずいさんの掲示板で見掛けた話についてなのですが、掲示板が閉鎖されたようなのでここにメモ書き。

この値の指定方法だと、border-colorでも、ボーダーを部分的に透明transparentにすることはできなくて、部分的に透明の指定をするならborder-(top|right|bottom|left)-colorでするしかないということか。うーむ難しい。

他の簡略化プロパティでは、ざっと見たところでは個別のプロパティと比べて指定できない値が出てくるようなのは特に見当たらなさそうだけど……。というか値<color>の中にtrasparentが含まれてても良さそうな気もするのだが、そうであっては何か都合のわるいことが、おそらくあるのだろう。あるのかな。

(2001年11月14日)

piroさんより、borderの値については2001年8月27日に訂正されているとの指摘あり。嗚呼、原典にあたるべきところを怠っていました。Errata in REC-CSS2-19980512にはborder、border-top等の値は、"Value: [ <border-top-width> || <border-style> || [<color> | transparent] | inherit"、とtransparentも指定できる旨の記述がありました。ご指摘感謝です。

(2001年11月15日)


11月17日

祖父の一周忌であることをあやうく忘れるところだった。

しごとの後で今晩出かけなくては。

(2001年11月17日)


11月19日

昨日栃木から帰還。今日は休み。

* * *

Mozillaでもfavicon.icoをサポートするようになっていたので、昨日あたりからこちらにも入れてみました。……が、16×16pxだと絵が小さすぎて何だかよく分からなくなってしまうような。ちなみにもとの絵はこれです。

(2001年11月19日)


ししは肉の意

肉のことを「しし」とも言う(ふとった肉づきのことを「太りじし」と言ったりなど)のは以前から知っていたのですが、「宍戸」という名字で使われる「宍」の字が「肉」の古字であることを、昨日辞書で見つけて初めて知りました。

ということは宍戸錠さんの名は肉戸錠と書いても差し支えない(?)わけで、今までの字から受けるイメージが一転する事実であります。となると、あのすっきりしてしまった頬のたるみが急に惜しくなってくるような。

(2001年11月20日)


更新テスト

徒書の表紙をCGI化してみたので、更新テスト。

この文章はhttp://www.akatsukinishisu.net/itazuragaki/?koushin_testで、独立したページとして参照可能です。

(2001年11月23日)


日記風コンテンツに思う

自分でも書いているのにこういったことを述べるのも何なのですが、日記ページのような、日々記事が追加されていくページは定期的読者として日々楽しむ分にはいいのですが、資料としてはあまり使い勝手のよくないものであるように思います。

分からないことがあるときはよくウェブ検索を使うのですが、こちらが求める情報を探そうと、いろいろと複数キーワードを組み合わせて検索しているにも関わらず、ヒットしたページが日記ページだったりして、しかもそれぞれのキーワードがそれぞれ全然違う日での記述だったりすると、徒労感もひとしおです。おまけに読みこみに時間がかかるし、一縷の望みをかけて大量の記述からさらにキーワードのある位置を確認しないと気が済まないし、しかし結局その手間も無駄に終わり、思わずきーっと叫びたくなることも、ままあることではないでしょうか。

てなことが切っ掛けで、ここ徒書ではそういうことがなるべく起きぬよう、それぞれの文を個別のページとして参照できるようにして、まとめ書きされたページ (YYYY_MM.html) は検索ロボットに拾われぬよう、meta要素にて<meta name="Robots" content="NOINDEX,FOLLOW" />(このページ自身は情報収集を禁止し、ここからのリンク先ページは情報収集を許可する)を設定してはどうか、と思いつきました。

で、実際そのようなCGI(index.cgi)を作ってはみたものの、「検索エンジンはCGIで生成された(URLに"?"が必要になるような)ページを果たして拾っていくんだっけか」という疑問が湧いてきて不安になっているのですが、まあ人が利用するにしても、長いページから該当の記述を探すよりもその記事を個別で読む方が見た目すっきりしてるだろうしいいか、と思うことにします。例えば比較的よく参照されていそうな『Mozillaでルビ表示3』なども、http://www.akatsukinishisu.net/itazuragaki/?ruby_for_Mozilla_3で読めますので、こちらをリンク先にすることもできます。

* * *

CGIを作っているうちに他にも機能を盛り込んでみたくなったので、最新の文章もYYYY_MM.htmlから自動で拾ってくる機能もつけてみました。パラメタなしか、バラメタが数字のみの場合だと最新三件の文(表紙)を表示します。今までは表紙用のページとYYYY_MM.htmlと両方をエディタ書きしていたのですが、これでやや手間が楽になりました。

(2001年11月24日)

* * *

Mapleholicの11月24日の:

「おまえの書くものに資料性など全くないじゃないかよ!」というツッコミはこの際脇においといて、無理矢理にでも前を向く事にします。

には、自分も同じ様に考えています。自分としても「ウェブページには資料性のあるものを書くべし」などということは平素全然まったく思っていないのですが、公開された文章に資料性があるかどうかは、筆者でなく読者により判断されることである、と思います。

やや離れた話になりますが、日記ページの中には過去記事を残さないところも見受けられるのですが、読者の中にはそれを勿体無いと思う方もいるかもしれません。逆に、記事を残して置くことで再利用性・資料性が高まることもあるでしょう。一度公開された文書を、製作者の都合だけで一方的に削除されることには、読者の立場としては理不尽に感じることも、ウェブではしばしばあるかと思います。

以上のことから、自分が書いて公開したものはなるべく残しておき、内容に誤りがあったり現状とそぐわなかったりした場合は訂正を行い、また読み手の側からは閲覧しやすくしておいたほうがいいかなあ、と思っております。CGI化したのには、自分がPerlを使ってどこまでできるかというのを試してみたかった、という別の興味もありましたが。

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星の贈り物の11月26日より:

日記はリソースとして役に立たないという意見を読んで、「なるほどな」と思わせられたり……

役に立たない」、と主張しているわけではなく、「使い勝手がよくない」と書いていたつもりなのです。寧ろ、日記風コンテンツには有用な情報が含まれている場合が多々あり(とくにコンピュータ関係の話題が多い日記では)、もっと整理されていれば更に有効に利用できるのでは、と考えています。

(2001年11月27日)

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追記――今は <meta name="Robots" content="NOINDEX,FOLLOW" /> を外しています。参照:<meta>外し(2001年1月3日)

(2002年1月3日)


HTMLのlang属性

bubble hourの11月26日より:

とか言ってる矢先、この文書を Another HTML-lint でチェックしたらエラー出るし。"Walk out to winter♪"の部分、段落全體をxml:lang="en"としてゐたのですが、末尾の"♪"が日本語文字コードなので彈かれたやうです。

試しに♪を&#09834;としてみたところ、該当のチェックはまぬかれるようでした。

Anothor HTML-lintの、「LANG 属性は `xx` ですが、テキストが日本語のようです」のチェックは、製作者に異なる言語の文字が入りこんでいることに注意を喚起する程度のもので、例として挙げられていた:

<P lang="es">
お元気ですか。今、スペインに来ています。
</P>

というのはいくらなんでもですが、上記の♪のような場合は問題ないのではないか……と自分も思います。音楽♪は世界共通の言葉ですし(←何か違うような)。

(2001年11月27日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net