ムーミンについて

つきねこ日記の現代用語の基礎的ではない知識と、さらにそこからひねもす本舗の現代用語の基礎的ではない知識[む〜むお]現代用語の基礎的ではない知識(の、ムーミン〜の項)を拝見。ムーミンファンなので興味深く読みました。つきねこ日記での「しかもアニメと書いてある――ムーミンは小説も書いてくれないと〜」という指摘には全面的に同意。

ムーミンパパ/ママという名には、単に呼び名というよりは尊称の側面があるように思われる。一家を支え、地域に貢献(たぶん)しているからこそ、ただのムーミンではなく、親しみと尊敬を込めてパパ/ママの尊称つきで呼ばれるのではなかろうか。それに比べれば、未だ何も為していない子供ムーミンなどただのムーミンで結構(←言い過ぎ)。

ムーミン谷の住人が主に種族名で呼ばれているのは、異郷の人をその故郷の地名で呼ぶ文化と相通ずるものがあるように思う。しばしば大阪から越してきた人の仇名が「大阪」になったりとか、ブランドンをディランが「ミネソタ」と呼んだりとか、沖縄出身の人が「オギナワ」と呼ばれたりとか、等々。

ヘムル(族)の人たちが他者から呼ばれるときには「ヘムレンさん」と語尾変化するところは、言語好きとしては注目すべき点だ。スナフキンは独自の名を持っているように見えるが、スナフキンという名は英語名の転用であり、原語ではスヌスムムリクなので、やはり種族名(ムムリク)がついてくる。ムーミンのガールフレンドも小説では「スノークのおじょうさん」であり、個別の名はない(スノークはムーミントロールとは別種族)。

ミムラねえさんは、個人的には「ミムラ姐さん」ではないかとやや希望混じりな推測をしているのだが、どうだろう。

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現代用語の基礎的ではない知識より:

【ムーミン谷】 むーみんだに(アニメ/地名)
1.その名のとおりムーミンがいる谷の名前
2. ムーミンパパの名前についての疑問なんて可愛いものだ。ムーミン谷って・・・

ムーミン谷はムーミンパパが若き日の放浪の末に辿りつき、新しく村を作った場所なので、そう呼ばれる理由は十分あると思う。

【スナフキン】 すなふきん
1.ムーミンの話の中に出てくるさすらいのギター弾き。
一般的には世捨て人で知的なイメージがあり、人気のあるキャラクター。
2.あまりテレビでは語られないが、ミムラねえさんの息子で、ちっちゃなミーとは異父兄妹。

1.原作ではスナフキンはハーモニカ吹きであり、新しい方のアニメではその点改善されている。

2.ミイとは血縁ではあるが、彼らは異父姉弟(ミイの方が年上)である。ミムラねえさんとミイは姉妹で、母はまた別にいる。

スナフキンについては、何かを禁止する立て札を見ると異常なほどに怒り狂う、というホットな一面を持つことも見逃せない点だろう。

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ムーミンの顔の輪郭部分のでっぱりは、あごではなくであり、口はその付け根部分(顎の下のように見えるところ)にあるということは、あまり広くは知られていない事実であるように思う。古いアニメで口が鼻の前面に描いてあるのは誤解釈で、新アニメではその点も改善されていた。河馬とは大きく異なる点だ(その前に大きさが全然違うが)。

参考リンク:

(2001年11月11日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net