cite要素はblockquote要素とは関係ない

cite要素に関して、柊アマテルさんの見解を拝見したのですが、何となく違和感がありました。

cite要素を使ふ上でも要素間の機械的な関係は全く考へない方が賢明です。

という結論については同意なのですが、でもそれはもとからそういうものだったのでは、と思うのです。HTMLの仕様から見ても、cite要素はその前後のblockquote要素やq要素と関連付けて何らかの処理を期待するようにはなっていないようですし。

cite要素は――ありていに言えば――もともと英文の活字文書等で、引用を行う際に引用元の表題の部分を斜字体にする習慣があり、それをHTMLで表現(スタイルとしてではなく、より抽象的な構造として)するためにあるものだと思ってます。

定義語を示すdfn要素も似たような事情で、活字文書で言葉の定義が述べられるときには、その言葉が斜字体なり太字なりで強調されることがあったので、それをHTMLで表現するためにあるのがdfn要素ではないかと。

……といっても自分はそんなに英文に関して詳しい訳では全くないのですが、例としてはWikipedia英語版のQuotationDefinitionにある例を見て頂ければ、感じがつかめるかと思います。(WikipediaのHTMLではi要素になってますが……)

※ 参考: em要素とstrong要素で同様の考えを述べてます。

つまり、cite要素やdfn要素は「ここは引用元の題名」「ここは定義語」ということを示せればそれでOKなのであって、決してそれ以上のものではないと思うのです。なのでこれらを「兄弟関係に依存した要素」と言うのには疑問を感じます。

「cite要素やdfn要素は、もともと前後の要素と関連付けて処理されるようなものではない」と考えていれば、別に何も後から面倒になることはないわけで、……というか、そもそもHTMLは文章の構造をマークアップで明示するものなのだから、前後がどうであっても、その箇所が引用元だったり定義語であるのなら遠慮なくcite要素やdfn要素としてマークアップしていけばよいように思います。