FMC Advent Calendar 2023 (1) 思考過程

この記事は FMC Advent Calendar 2023 3日目の記事です。前日はうえしゅうさんの FMC Advent Calendar 2023 2日目 でした。明日は Shota さんの FMC Advent Calendar 2023 4日目 です。

北村曉 (@kits_) です。日本では4年ぶりのWCA大会開催をきっかけにFMCが大いに盛り上がりましたが、自分の大会記録は残念ながら3DNFでした…。反省して今後は DR も学んでいきたいと思うものの、今年のアドカレでは引き続き Block Building で解いていきます。

scramble

(1) R' U' F D B' U' L U B' R U' L2 F2 U2 R2 D' R2 L2 U' L2 B2 F D R' U' F

EO探索

EO は取り敢えず3軸とも調べたところどれも bad edge が6個でしたが、RL軸で見るとR面に1つ、M列に2つ、L面に3つと比較的よさげだったので、そちらから探していきました。

L' B F U2 R
L' F U2 B R
L' U' F B R
L' F' B' D2 L
L' D B' F' L
L' F' D B' L

と探したところで、結局一番最初に見たやつがペアが2つ出来ててよさげだったので、こちらから探していきました。

skeleton まで

最初に見つけたのはこのようなルート。

L' B F U2 R //EO (5/5)
L2 U L2 //pseudo 222 (3/8)
D F D' F2 //pseudo 223 (4/12)
B' D B F' (U2) //F2L-1 (5/17)

F' U F U' R2 //2C2C1T (5/22) ?

白赤緑ペアを生かして 1x2x2 を作っていったところ、そのまま疑似 2x2x2 ブロックになったのでそのまま採用。ただ緑橙黄のペアもそのまま使えそうだったので、premove を入れずにそのま 1x2x2 ブロックにして、F2 で疑似 2x2x3 ブロックとしました。さらに DLB に2x2x2 ブロックができそうだったのでここでも premove を入れずにエッジを入れ、F' して疑似 F2L-1 の形までになりました。

このように疑似ブロックができても premove を入れずにそのまま探索してみたら割とすぐ揃った、ということは時々あります。

そこから sledgehammer のようにすると残り5コーナーにはなったのですが、よく見ると1CO(twist)の入った2C2C1Tの形でした。これだと3回インサートしないといけないので、別のルートを探すことに。

次に、疑似F2L-1の状態から R2 するとペアができるので、それを生かす形で

L' B F U2 R //EO (5/5)
L2 U L2 //pseudo 222 (3/8)
D F D' F2 //pseudo 223 (4/12)
B' D B F' //pseudo F2L-1 (4/16)

R2 U' R2 U R2 U' R2 U R2 U2 B U B' U' //3C1T (14/30) ?

とすると 3C1T の状態にはなったのですが、さすがに30手から2回インサートとなると手数かかり過ぎるので、さらに見直し。

疑似F2L-1のところに U' を加えて異なる疑似F2L-1 にしてもみたのですが、LL(R面)のエッジの状態がよくないような気がしてこちらも採用しませんでした。ただ今見直すと R2 からの sledgehammer で5Cにはなったので、なぜこれを見逃していたのだろうという心境です。(実際に解いてから1週間ほど経過してこの記事を書いています)

L' B F U2 R //EO (5/5)
L2 U L2 //pseudo 222 (3/8)
D F D' F2 //pseudo 223 (4/12)
B' D B F' U' (U) //F2L-1 (6/18)

R2 U' B U B' //5C (5/23) ?

何か他のルートはないかを考えたところ、疑似2x2x3ブロックを作る時の最後の F2 を F' で保留して、その先を進められないかということを思いつきました。そうすると F2L-1 まで進めたところで余分にペアができる形になり、それを生かして 23手 3C1T の形に持ち込めたので、こちらを採用しました。

L' B F U2 R //EO (5/5)
L2 U L2 //pseudo 222 (3/8)
D F D' F' //+122 (4/12)

B' D B F2 (U2) //F2L-1 + pair (9/17) !
F D R2 D' R2 F' R2 //3C1T (7-1/23)

インサート

skeleton:
L' B F U2 R
L2 U L2
D F D' F' B' D B F'
D R2 D' R2 * F' R2 U2

* = R2 F L F' R2 F L' F' //3C (8-3/28)

skeleton:
L' B F U2 R
L2 U L2
D F D' F' B' D B F'
D R2 D' F L F' R2 F L' F2 % R2 U2

% = B L' B' R2 B L B' R2 //Finish (8-2/34) 57:46

solution:
L' B F U2 R
L2 U L2
D F D' F' B' D B F'
D R2 D' F L F' R2 F L' F2 B L' B' R2 B L B' U2

インサートはまあまあといったところで、それぞれ3手・2手のキャンセルで+11手、34手の解となりました。

結び

今回は疑似2x2x3を敢えて崩した1手インサートの応用が割と功を奏したソルブになったと思います。

なお時間外で探したところ、最初のルートの F2L-1 から以下のような 29手3C の形ができるのを見つけました。optimal 33手ということなので時間内に見つけられなくて1手損はまあ仕方ないかなという気がします。

L' B F U2 R //EO (5/5)
L2 U L2 //pseudo 222 (3/8)
D F D' F2 //pseudo 223 (4/12)
B' D B F' (U2) //F2L-1 (5/17)

R2 F R2 F' R2 F R2 D R2 D' F' R2 //3C (12/29)
//optimal 33 moves