埋め込みとか参照とか

『おさんぽさんぽ』の3月28日分、へりくつごねてるだけより。

情報を受け止める側がどう解釈するかであって、技術的に問題があるとかないとかの問題ではない。問題となるかどうかは、一般的なユーザ(ここでは、サイト作成などはしないで、Webブラウジングをするだけのユーザ)がどのように受け止め、解釈しているかだ。

一般的ユーザにとってどう感じられるかというのも確かに重要ですが、技術的な問題が関係無いということはないのではないでしょうか。

例えば「リンクは自由であるか否か」について現在も様々な解釈が存在している原因は、ひとえに「一般ユーザが(各々)どのように感じたか」の結果であるように思います。少なくとも「無断リンクは著作権侵害にならない」という主張の裏付けには、「リンクの本質は、文書の位置を指し示すだけのもの」という観点が必要不可欠ではないかと。

似た話に「画像のダウンロード禁止」とか。主張の是非はともかくとしても、「画像データは、ブラウザにより表示された時点で既にダウンロードされている」という事実を考慮した場合、主張を文字通り解釈すると利用者にとって大変不便な規則となってしまいます(おそらく、文書作成者の目的にも合致しないことでしょう)。何を禁止したいのかについては技術的側面も含め、更につめて考える必要があるところと思います。「ブラウザのキャッシュ領域以外の、ユーザがアクセス可能なディスク領域に画像データをコピーすることを禁止する」とか(それもどうか)。

* * *

それはともかく、iframe要素やobject要素による外部文書の表示は、参照ではなく埋め込みembedだと思います。HTML 4.01仕様書では、リンクとiframe/objectによる埋め込みを区別しているようです。

『趣味のWebデザイン』のそれは盗用かより。

フレーム未対応のブラウザ(の一部)では、参照文書へのリンクが用意されるだろう。あるいは、noframes 要素に記述されるフレームの代替内容は、リンクになるはずだ。

埋め込み表示が非対応な環境での代替手段は、あくまで埋め込みできないからこその代替手段であり、埋め込みと技術的に等価なわけではないと思います。また、代替手段の提供は仕様では厳密には規定されておらず、実際に何を提供するかはブラウザの実装または文書作成者の裁量に任されるものであるように見受けられます。 「……だろう」「……はずだ」が、必ずしもその通りになるとは限らないことでしょう。

* * *

ところで、屁理屈はこねるものであり、また「ごねる」というのは「不平を言う」ことなので、もし徳保さんの主張に対して用いているのであれば、文脈としてもあたらないのではないでしょうか。>FUMINGさん(実はこれが一番気になっていたことだったり)

(2004年3月29日)

北村曉 kits@akatsukinishisu.net